02. 転入生 ページ4
*
「A！ おはよう！」
「おはよう！」
「元気ないね……。どうしたの？」
「ううん。大丈夫だよ」
「そう？」
「うん」
いつもと変わらない日常。
友達は結構いるほうだし、学校では友達が話しかけてくれるから寂しくはない。
そう、変わらない日常が毎日続くと思っていた。
「ねえねえ！」
「ん？ 何？」
「今日、転入生が来ること知ってる？」
「え!? こんな時期に転入生!?」
本当、なんでこんな時期に転入生が……。
季節は夏なのに……。
「え、まじ？ 女子かな男子かな？」
「俺、女子がいいな〜」
「えー、私は男子がいいな〜」
「ねえねえ！ 男子なの？ 女子なの？ どっち？」
「えっとね……。多分、男子だったよ」
「男子か〜」
「へ〜、男子なんだ？」
「うん！ なんかね、結構かっこいいらしいよ」
……男子か。
一体、どういう人なんだろう？
「は〜い、皆！ 席につけ！ 今日は転入生を紹介するぞ！ 入っていいぞ」
「……はい」
「うわ〜かっこいい……！」
「はい、静かに」
教室がざわめき出す。
……あの人、何か見覚えがあるんだよな。誰だっけ？
「じゃあ、自己紹介を」
「……鈴木蓮です。よろしく」
「……えっ」
「ん？ どうしたA」
今、『鈴木蓮』って言った？
いや、でも。まだ、あの『蓮』なのか分からないし……。
「……A？」
「っ！」
「やっぱり、Aだよね？ 僕のこと覚えてない？」
「蓮……？ あの蓮なの？」
「うん……！ あぁ、A会いたかった！」
「私も……会いたかった！」
まさか、本当に蓮に会えるなんて……。夢なのかな？ 私は頬をつねる。
――痛い。夢じゃないんだ。
「A、蓮くんとどういう関係なの!?」
「え、あぁ。幼馴染なんだよ」
「そうなの!?」
「へ〜！ Aいいなぁ！ こんなにかっこいい人が幼馴染だなんて」
「そう？」
「うん！」
それから、話が盛り上がっていき、授業ができなくなってしまい全員が先生に怒られてしまった。
2時間ほど説教を受けた私たちは、もう帰る時間だったので帰ることにした。
「A、ばいばい〜」
「うん、ばいばい」
「蓮、また明日な」
「あぁ」
私たちはそれぞれ家へと帰る。
蓮とは方向が一緒なので、一緒に帰ることにした。
「こうやって話すのも7年ぶりなんだな」
「そうだね」
これからは蓮も一緒に学校へ通うんだ。
一緒に話すことができるんだ。
私はいつも以上に、学校へ行くのが楽しみになっていた――。
*
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雛 - すんごい面白かったです！ (2018年8月31日 21時) (
レス) id: 6670beebf5 (このIDを非表示/違反報告)
rio@リナ(プロフ) - いろいろ忙しくて、しばらく更新できませんでした。すみません。そして、今まで読んでくださってありがとうございました！ (2015年9月29日 18時) (レス) id: 8ef7d52d8a (このIDを非表示/違反報告)
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