優しい嘘と君の歌 (ページ8)

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こだわりページ8

涼介side

「＿＿＿どうかな…？」

はにかんで笑う知念

「めっっちゃいいと思う、！天才だよ、知念！」

そんな知念に精一杯の拍手を送った

知「それは…大袈裟だよ。笑」

謙遜して手を前で振ってるけど…、
いやほんと、めっちゃ良かったからね！？

「この歌のタイトルって何？」

知「それはまだ、決めてないの。」

「歌詞も超良かったし！応援ソング…であってるよね？」

途中で「がんばれ、」なんて歌詞も出てきたし。

知「うん。ある人に向けて作ったんだけど…、意味無くなっちゃったから僕が歌おうと思って」

ある人？

深く掘り下げようかと思ったけど、
やっぱり辞めた

そこまでは俺のサポート範囲じゃないし、
模索されるのは嫌な部分かもしれない

「えーっと、もう発表しても大丈夫なくらい出来上がってるけど……。俺になにか手伝えること、ある？」

あるよ、

彼は小さく呟いた

知「僕、人前が苦手なの、」

「え、いや、でも今めっちゃ普通に歌ってたけど…」

知「涼介は…、なんか大丈夫だった。」

「え！？なんで！？」

知「わかんないけど……、でもそれで人前に慣れる練習をしたくて、それに付き合ってほしいんだけど…」

「人前って事は、人が苦手なの…？それとも緊張するとか…？」

知「大勢の人が、苦手……。なんか怖くて」

「じゃあ、なんで発表なんかすんの？」

言った瞬間、前の知念の大きな瞳が揺れた

あ、やばい、怖がらせたかな

ストレート過ぎたかも

「いや、別に、責めてるわけじゃなくて！なんつーか、今年じゃなくて徐々に慣れていけばいいんじゃね？3年生になるまでに慣れて発表…とか」

慌てて弁解しても、知念は俯いてて聞いてるかわかんなかった

・

突然、

絞り出すように俯いた顔から声が漏れた

「＿だめなの、今年じゃなきゃ。早く慣れなきゃだめなの、。」

そう言ってあげられた顔は今にも泣き出しそうで
そんな顔みたらどうしてなんて追求できなかった

「あーー、もう泣くなって！協力してやるから！」

泣きそうになった顔に不謹慎にも可愛いだなんて思ってしまった俺は罪悪感を隠すようにわしゃわしゃと頭を撫でたのであった