優しい嘘と君の歌 (ページ5)

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終業式ページ5

涼介side

あれから特に何の連絡もなく俺は終業式の日を迎えた。

知念くんに会えたら話しかけようとは思っていたけれど隣のクラスだからか全然会えないのだ

まぁ、文化祭までまだあるしいっか。

「えーっと、ゆうてぃーは今日委員会で遅くなるって言ってたっけ？」

1人とか寂しい気もするけど、俺そんな仲いいヤツもいないしなぁ

…………一人で帰るか、

親に渡したくない通知表をカバンに詰め、どこか浮いた空気の廊下へ出た。

出て5秒で思うこと

(暑い。)

何この気温？、地球滅びるんじゃね？

このままじゃ山田は干からびてしまう……

脳が危険信号を出し校門へと向かってた足は勝手にUターン

「自販機でなんか買って帰ろーっと。」

・

・

・

自販機に着いたはいいものの……

「うっわぁ、ほとんど売り切れじゃん。」

さすがこの暑さ

冷たい飲み物にはほとんど売り切れランプが点灯していて残っているのはあんまり人気がないものばかり

仕方なく無難な水を選択しお金を入れる。

その時視界の隅に人が映った

見遣った先にいたのはなんと知念くん

彼の白い肌にはうっすらと汗が浮かんでいる

知「山田くん、探しました。」

息を整えながら言う知念くん

「え、ずっと探してたの？」

知「はい。ホームルーム終わってからずっと校舎内探してて……。」

「そんなことならケータイに連絡してくれればよかったのに！」

・

知「……あ。確かに。」

「いや俺らなんのために連絡先交換したと思ってんの？笑」

知「すみません…。今までケータイ自体を使う機会がなかったので忘れてました……」

そう言ってはにかむように笑った

あれ、もしかして知念くんって天然なのかな。

「いや、大丈夫だけど……、どうしたの？俺になんか用？」

知「あ、その件なんですが。文化祭の準備を手伝って欲しくて……」

「え、？いや、俺…」

そこまでは担当範囲じゃないんだけど……

知「駄目…ですか？山田くんにしか頼めなくて…」

潤んだ瞳で見上げてくる

「……喜んで手伝わせていただきます。」

あんな頼み方されたら
誰だって断れないっつうの。