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煉獄家に着くと、夕餉の支度をしている水屋から良い匂いがしてくる。それに釣られて杏寿郎さんはフラフラとそちらの方向に歩いていく。
「私、槇寿郎さんに挨拶してきますね」
「うむ。父上もAとなら会話をしてくれるだろう」
「…………」
柱を引退した槇寿郎さん。
理由は定かではないけれど、息子である彼ら二人に対する態度が変わった。だけど、何故か私とはよく話してくれる。
時折町でお酒を買いに出た槇寿郎さんと会うのだが、その時は普通に話しかけてくれるし、杏寿郎さんから何もないかと彼を気遣うようなことも聞かれる。だから、本心では彼のことを心配しているんだ。
「お久しぶりです」
「………あぁ、Aか」
「はい。槇寿郎さん、体はお変わりないですか？」
「あぁ」
それはよかったです、そう呟いて空になっているであろう酒瓶を片付ける。そんな私を見兼ねてか、彼は布団から出た。
私を見てため息を落としては「君はまた随分とあの夫婦に似てきたな」と呟く。私の父と彼は、仲が良かった。
私の顔は母よりも父によく似ているから、私を見ては父を思い出すのかもしれない。
「杏寿郎とはまだ仲良くやっているか？」
「はい。来年の春、入籍しようと先日言われました」
「……そうか」
心なしか少し嬉しそう。
口角をほんの少し上げて、彼の手を取ると「千寿郎くんがご飯作ってくれてますよ。皆さんで一緒に食べませんか？」と微笑んだ。
槇寿郎さんを連れて、居間に行くと二人とも槇寿郎さんが来たことに驚きつつ嬉しそうに机を囲んだ。夕餉を頂いたあと、すぐに自室に戻った槇寿郎さん。
杏寿郎さんは片付けを手伝ってくれながら、「ありがとうな、A」と礼を言った。
「私は何もしてませんよ」
「いいや、俺たち家族、君に助けられている」
「……私だって、貴方達家族に助けられましたから」
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るる - 読んでる途中に目から水が､､､､､､､､ とってもいい作品でした!!!!!! (7月25日 14時) (
レス) @page50 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 初めまして！涙なしに観れませんでした… (2021年9月26日 18時) (レス) @page50 id: fb083d1d07 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12758号(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます…！一話目から引き込まれて全て読みました、鼻水まで出してみっともない泣き顔で読んでしまいました…笑笑映画でもボロ泣きしましたがこれでも号泣してしまいました、素敵な話が読めて良かったです。本当にありがとうございます！ (2020年11月23日 19時) (レス) id: 3be706ff9b (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 初めまして！このお話を深夜に見かけ一気に読みました。映画でも泣きましたが、このお話も号泣でした。素敵なお話ありがとうございます。何度でも読んでしまいそうです。 (2020年11月23日 2時) (レス) id: b7bf575f91 (このIDを非表示/違反報告)
raaaaaaam(プロフ) - 初めまして！私も一気に読み、深夜なのに号泣笑 隣に寝てる子供が起きるぐらい泣いてしまいました笑 煉獄さん、、最高！素敵な夢を見させて下さりありがとうございます(T_T) (2020年11月20日 4時) (レス) id: c6906907ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年10月26日 20時
