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「貴方のお父さんは、立派な剣士でした。もうこの世界に鬼はいないけれど、困っている人がいたら真っ先に助けてあげるのですよ」
「ーーーはい、母上！！」
そんなAさんは、去年流行病にかかり今ではすっかりと弱ってしまいました。それでも、彼女はまだ生きると言っています。とても強い人です。
時折見せる弱さに、僕は兄上がAさんを放っておけない理由が少しわかった気がしました。
「ーーー母上、身体に触りますので部屋に戻りませんか？」
「………ううん、ここでいいの……」
だけど、もう良いのではないでしょうか、兄上。
Aさんは、充分務めを果たしました。最近のAさんの口癖、知ってますか？
「………逢いたいなぁ」
「………母上……」
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走らせていた筆を止め、縁側に出て行く。
Aさんに寄り添う、兄上そっくりの甥は泣きそうになりながらも「母上、父上にあったら伝えてください」と伝言を頼んでいた。
「俺は父上よりも強くなります。俺は俺の責務を全うし、そして愛する人を生涯守り抜きます」
昔よりも細くなってしまったその手を取って「母上、ありがとうござます」と呟く甥に、俺は泣きそうになりながら縁側の向こうを眺めた。そして、目を開いた。
「ーーーあぁ……光だ。……眩しくて、……温かい、……ひか、り……」
そう呟くAさんはその方向に手を伸ばし、そして何かを掴むとパタリと腕を落とした。
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「……今、逢いに行きます」
ーーー杏寿郎。
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るる - 読んでる途中に目から水が､､､､､､､､ とってもいい作品でした!!!!!! (7月25日 14時) (
レス) @page50 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 初めまして！涙なしに観れませんでした… (2021年9月26日 18時) (レス) @page50 id: fb083d1d07 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12758号(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます…！一話目から引き込まれて全て読みました、鼻水まで出してみっともない泣き顔で読んでしまいました…笑笑映画でもボロ泣きしましたがこれでも号泣してしまいました、素敵な話が読めて良かったです。本当にありがとうございます！ (2020年11月23日 19時) (レス) id: 3be706ff9b (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 初めまして！このお話を深夜に見かけ一気に読みました。映画でも泣きましたが、このお話も号泣でした。素敵なお話ありがとうございます。何度でも読んでしまいそうです。 (2020年11月23日 2時) (レス) id: b7bf575f91 (このIDを非表示/違反報告)
raaaaaaam(プロフ) - 初めまして！私も一気に読み、深夜なのに号泣笑 隣に寝てる子供が起きるぐらい泣いてしまいました笑 煉獄さん、、最高！素敵な夢を見させて下さりありがとうございます(T_T) (2020年11月20日 4時) (レス) id: c6906907ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年10月26日 20時
