今、逢いに行きます【煉獄杏寿郎】

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ーーー拝啓 親愛なる佐倉A



これを読んでいるということは、俺は死んでしまったのだろうな。きっとこれを君が受け取るまでには随分と時間がかかったことだろう。


幼い頃、親同士が俺たちを引き合わせた。

当時の君は人見知りで、俺と目も合わせてくれなかった。だが、縁側で芋を一緒に食べた時笑ってくれた君は、とても愛らしかった。それからよく会うようになり、君は俺によく笑ってくれるようになった。


いろんな女性がいる中、俺は君に恋をしたんだ。鬼殺隊になる運命であった俺は、一度はその恋心を忘れようとした。だが、Aの隣に俺以外の男がいつかできると思うと、嫌だった。

だから、君と想いが一緒だと分かった時、どれだけ嬉しかっただろうか。


いつか残酷な現実が俺たちを襲うとわかっていても、俺は君を愛することをやめられなかった。



すまないA。
君を一人にはしないと約束した俺が、先に死に君に悲しい思いをさせてしまった。


きっと君のことだ。
俺が死に、受け入れられない事実に自害を考えることも少なからずあると思っている。だが、そんなことをするな。俺が許さない。


君は俺のことを光だといつも言っていた。だが、俺にとって、A、君は己の心を燃やす原動力になっていた。何もない所に炎は燃えないように、俺の心には君がいつもいる。


忘れないでくれ、俺の魂は君のそばにずっといることを。君には幸せなことがこれから先たくさん訪れるはずだ。



いつか、君が年老いてお婆さんになった時、一番に俺が迎えに行こう。



ーーーどうか、俺のいない世界で幸せに生きてください。


敬具
煉獄杏寿郎






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