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二人で手分けして、鬼が潜んでいそうな場所を村周辺で探す。だが、まだ昼間なので鬼は活動しない。痕跡もあまりなく、断念して村の方に戻る。
先に戻っていた不死川さんは村の子供たち相手に遊んであげていた。見た目が怖いのに意外だなぁと失礼なことを考える。でも、懐かれている姿からはどことなくお兄ちゃん感が感じられる。
小さい子供が不死川さんに飛び乗って体勢を崩し、その場に土埃を上げて尻餅をつく。そんな姿を見ていると、思わず吹き出して笑ってしまった。
私が戻ってきていることに漸く気付いたのか、彼は恥ずかしそうにして子供たちに「いきなり飛びつくんじゃねェよ」と頭をわしゃわしゃと撫でている。
「不死川さんって、小さい子好きなんですね」
「別に好きじゃねェ」
「嘘だ、だって遊んであげてる時すごいいい顔してましたよ」
別に子供が好きだなんて隠すことじゃない。
彼は「下に兄弟が多かったァ…」と小さく呟いた。溢れ出ていたお兄ちゃん感はそこからだったのか。ふふっと笑う私に、彼は「笑うなァ」と睨んでくる。
「……すみません、私、不死川さんのこと怖い人だと思ってました。けど、全然違いますね」
「…………」
「優しい人、なんですね」
えへ、と微笑むと、さっきの女の子が走ってやってくる。「鬼狩り様、今日はうちに泊まって!」と私の手を引っ張る彼女に、ありがとうと言うと、されるがまま連れて行かれた。
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呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月16日 13時