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村の人に話を聞けば、この村にいる人たちが数人行方不明になっているらしい。一通り話を聞いた後、お屋敷から出てこれからどうするか聞こうと思えば、小さい女の子が走ってやってきた。
「鬼狩り様ですか?!」
不死川さんを通り過ぎ、私の膝に抱きついてきた彼女に膝を曲げて「そうだよ」と挨拶をする。彼女は涙を浮かべて「お父ちゃんを助けて!!」と訴えた。
鬼狩り以前に鬼の存在があまり認知されていないこの世の中、この村の人たちは鬼の存在をよく理解している。小さい子まで知っているのには驚いた。この子のお父さんは鬼の被害に遭った一人。
だけど、鬼に襲われた以上、生きている可能性は低いだろう。泣いている女の子にどう声をかけるのが正解なのか。
「…………安心しろォ、この村に潜んでやがる鬼は俺たちが一匹残らず滅してやる」
「…………っ」
「お前が泣いてると、弟が不安になるだろ?」
不死川さんのそばには小さな男の子がいた。どうやら女の子の弟、らしい。彼は女の子の頭を優しく撫でると、「俺たちに任せろ」と言い私に目配せをした。
弟の手を握って、家の方に帰っていく二人を見つめる。「行くぞ」と不死川さんの声に私は振り返った。
初めて会った時、睨まれたせいか怖い印象でしかなかったけれど、案外この人は優しい人なのかもしれない。隣から一瞥していれば、不死川さんがこっちを見て一言。
「…………なに見てんだ。気持ち悪ィ」
「…………す、すみません」
ーーー前言撤回、やっぱり怖い。
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呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月16日 13時