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「……足を少し捻挫しているだけです」

「…………っ」

「すみません、私も止めたのですが……」

「いえ、弟が迷惑かけてすみません」



蝶屋敷の病室で眠る隼人。手に握られていたのは綺麗な赤いゼラニウムだった。花言葉を教えてくれた胡蝶様。隼人は胡蝶様に「姉ちゃんが最近笑わなくなったからこれあげるんだ」と言っていたと教えてくれた。


病室で隼人を撫でる私の隣に椅子を持ってきて座る不死川さんに「ご迷惑おかけしました」と感謝と謝罪をした。


関わらないでと言ったのに、迷惑をかけてしまったんだ。それなのに、隼人のことを必死になって探してくれた。



「てめぇは何でも一人で抱え込みすぎだァ。だから隼人にも気を使われるんだよ」

「…………ごもっともですね」



ゼラニウムを指差しては、隼人が起きたら心から笑ってやれよという彼に頷いた。彼の頬が切れていることに気付き、隼人を助けようと崖から落ちて行った時に出来たものだと気づく。


手を伸ばし、「怪我、させてしまいましたね」と傷口に触れれば、バシッと腕を掴まれた。少しの沈黙が流れ、それを打破したのは不死川さん。



「なぁ、お前ら二人を俺に守らせてくれねェかァ?」

「………え?」



不意に言われたその言葉に首を傾げる。

そして隼人が不死川さんにお願いしたあることを含め、全てを私に伝えた。



「…………隼人が俺に、姉ちゃんを幸せにしてほしいって言ってきたァ。コイツ、餓鬼のくせに色恋に敏感だな」

「……!」

「風門、俺にてめぇと隼人、二人を守らせてくれねェか?お前だけじゃねぇ、隼人の未来も笑顔も、二人まとめて俺が守るからよ」



どうして、そこまで私を好きでいてくれるんですか。どうしてあんなに傷つけた私のことを、そこまで……。


ハラリと流れ落ちた涙に、私は彼の隊服を握りしめ「………好きです」と呟いていた。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 風柱   
作品ジャンル:アニメ
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呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年5月16日 13時

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