おはよう、愛しい人【不死川実弥】

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「あーっ、隼人、また勝手なことして！」

「だってぇ」



鴉がいないと思いきや、さっき戻ってきた鴉に問い詰めると不死川さんのところに文を届けにいったと言う。それも隼人に頼まれて、だ。


不死川さんは柱で忙しい身だし、ただの部下の弟に呼ばれたからって簡単に来ないに決まっている。最近勝手なことをよくする隼人に強く注意する。2〜3日前も勝手に不死川さんと文のやり取りをしていた。それも全部私の鴉が届けている。



「…………もう、無理しないで。ただでさえ、任務で疲れてるのに……」

「ダイジョウブ。隼人ノ頼ミ聞ケバ美味シイ餌モラエルカラ」

「餌に釣られないでよ……」



鴉を撫でるのをやめ、「罰！」と言えば、鴉は飛んでいき隼人の肩に乗る。私が隼人に弱いことを知っているから最近注意すればこうするんだ。頭のいい鴉め。


隼人に洗濯物を干すのを手伝って貰っていると、「すみません」とある男の人の声がする。低い声に、隼人が走っていく。


その後をついていけば、玄関前で隼人が足にしがみついた不死川さんがいた。「……お久しぶりです」と小さく会釈をする。



「おう」

「すみません、隼人が勝手なことして……」

「構わねぇよ。おう、隼人。元気にしてたかァ？」



不死川さんに抱き抱えられた隼人が嬉しそうに笑う。その様子を見て、決して嫌そうにしていない不死川さんに少し甘えてさせてもらおうかなと思ってしまった。



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