俺の継子が可愛い件について【不死川実弥】

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「私は皆が認めるような馬鹿です」

「おう、そうだなァ」



いや、少しは違うって否定してくださいよ。

大きな手が頭に乗っかって優しく撫でる。その手に自分のを重ねてゆっくりとおろし、頬を寄せる。



「…………鬼舞辻を倒すまでどのぐらいの時間がかかるかわかりません」

「あァ」

「それまでの間に、苦しく死にたくなるような現実がたくさんあるかもしれません」



鬼舞辻はそう簡単には倒せない。

その前にいる上弦だって皆死に物狂いで戦って、勝てるかどうかもわからない。それに、勝てずに死んでしまうことだって少なからずあるだろう。実力がなければそれだけ鬼には勝てないのだから。


今生きているみんながこうして笑っている未来が待っている保証なんてどこにもない。大切な人がいつ死んだっておかしくない世界だ。



「……………私は絶対に死にません」

「………」

「でも、もしもこれから先、死にたくなるような出来事がたくさん起きるかもしれません」



もしかしたら身近にいる大切な仲間や大切な人が、鬼に殺されてしまうかもしれない。心が病んで、自暴自棄に陥ってしまう、そんなときもあるだろう。



「………私を、実弥さんの生きる理由にして欲しいです」

「！」

「なにがあっても、私がそばにいる。だから、どんなに悲しく辛いことがあっても、私を思い出してください」



私、何年先になろうが待ちます。
だから、私を実弥さんの最愛にしてください。


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