374 ページ36
*
ある日、師範と一緒に日向ぼっこをしていた。お前ら日向ぼっこしかしてねぇなと思っているそこの君、黙っておけ。
天気が良くて、気持ちいい昼下がりに鼻歌を歌っていると不意に頭上に影ができる。目を開けると、師範の顔が至近距離。
ちゅっと軽い接吻音がなり、離れると師範がまだなにか足りなさそうな表情で私を見つめた。エヘヘと微笑んで手を伸ばすと、また接吻を落としてくる。
最近はなんだか接吻にも慣れて、もっとしてほしいという欲が湧いてきている。私は飛んだ変態女になったらしい。師範の首に手を回し、接吻に酔いしれる。
間も無く侵入したきた彼の舌に、驚く。自分でも体が強張るのがわかるぐらい。目を大きく見開けば、その熱い視線とすぐにぶつかる。
「…………んっ………んぅっ……!」
「…………………」
接吻に夢中になっているせいか、私が慌てていることにすら気づいていないようだ。追いかけ回される舌、絡められるたびに小さく漏れる吐息。
自分でも聞いたことのない声や音に、苦しくなる。恥ずかしさと息する暇を与えない師範に、クラクラしてくる。接吻に酔うとは最終的にこういうことを言うのかな。
「…………んっ………ふっ………あっ……」
「………!!」
漸く解放された口でたくさんの息を吸う。
軽く息切れを起こしつつ、体を起こして師範の様子を伺えば、「やべェ」と呟いた。
「…………止まらなかったァ」
「へ?」
「大丈夫か」
「あ、えっと、はい」
心臓の血の巡りが早過ぎて、顔の熱も収まらない。
ちょっと長めの接吻に体が痺れて、力が入らず動けなかった。
「…………厠行ってくらァ」
「は、はい」
取り残された部屋の真ん中で「なんだったんだ」と呟いた。
.
3567人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haruna242(プロフ) - 完結おめでとうございます!!毎日楽しませてもらいました!現パロの方にも続いてくれてとても嬉しいです!この作品とても大好きでした!これからも作品を頑張って更新していってください!全部見たいと思います!w (2020年3月11日 1時) (レス) id: 82e23a9053 (このIDを非表示/違反報告)
菊 - 完結おめでとうございます!最初から見させて頂きました!もう実弥推しがこの作品で爆発しちゃいましたっ☆(?)この作品を知らない人はぜひ見て欲しい…!!続編更新頑張ってください!待ってます。そして、お疲れ様でした! (2020年3月7日 18時) (レス) id: c37bfaaa1c (このIDを非表示/違反報告)
りついち - 師弟エンドも恋仲エンドも素晴らしかったです。完結おめでとうございます。お疲れ様でした。続編も読ませて頂きます!! (2020年3月7日 17時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - すっごいキュンキュンしました!完結おめでとうございます!!! (2020年3月7日 2時) (レス) id: 0f4d6815a6 (このIDを非表示/違反報告)
ありんちゅ(プロフ) - はじめまして、完結おめでとうございます、そしていつもときめきをありがとう。いつも心の栄養にさせてもらってます!これからも楽しみに待ちますので頑張って下さい!ありがとうございました。 (2020年3月7日 0時) (レス) id: db8c3d4d7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年2月21日 18時