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「それはカナヲちゃんやアオイちゃんも知ってるんですか?」
「………アオイには何もいうつもりはありませんが、カナヲには話すつもりです」
胡蝶様は殺されたお姉さんが最期に戦った鬼の話をした。柱が負けて殺されるほどの強い鬼、それはきっと上弦の鬼。鬼の話をする胡蝶様の表情は恨みに染まりきっていた。
「姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やさずに」という胡蝶様にようやくその作られた笑みの意味を知った。作られたというよりか違和感しかなかったその笑顔。その裏にはお姉さんを殺された恨みが詰まっていたんだ。
「…………私も……家族を殺された身だから……胡蝶様の気持ち……わかります……」
「……………」
「けど…!それでお姉さんの仇である鬼を、胡蝶様の命と引き換えに倒して……家族は、お姉さんは喜ぶんですか…?!」
胡蝶様の家族を殺された気持ちは痛いほどわかる。だけど、その敵討ちを自分の命を代償にしようとしている胡蝶様がわからなかった。そんなことをして、家族は喜ぶのか、私には考えられなかった。
涙混じりの声に胡蝶様は「さあ、どうでしょうか」と返してきた。私は胡蝶様の肩を掴んで、「ほかに、方法を見つけましょうよ!命をかける必要なんてないぐらい強くなりましょう。ね?!」と必死になる。
だけど私の声は胡蝶様には届かない。何をしても、今の、ううんこれから何かをしようとしている胡蝶様に通じることはない。スッと胡蝶様は私の手の上に手を重ねて自身の肩から下ろした。
「私の意思はもう固まっています。死ぬ間際、姉はこう言おうとしてました。私はその鬼に負ける、と。でも言いませんでした。私の今の力では勝てません。だけど、この方法が一番アイツを殺すのに近いんです」
「……………っ」
ポロリと頬から涙がこぼれた。
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ラズベリー - 面白いです! (2021年2月4日 6時) (レス) id: 87d010c47c (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 最後が、「ええ、そつですよ」になってる、、、? (2020年7月25日 12時) (レス) id: 1d4ed2cded (このIDを非表示/違反報告)
0tt430v325326h(プロフ) - いつも見させて貰っています。質問ですが、過去はどうやって書いているんですか?私も作品を書き始めていますが全く分からない事だらけで… 普通の文字より少し薄いですよね?読んでてとっても分かりやすいんで、私も書きたいと思っていまして、どうか教えて下さい! (2020年5月22日 18時) (レス) id: a0727f11af (このIDを非表示/違反報告)
shinon※*(プロフ) - 何回も書きますがめちゃくちゃおもしろいです(*´ω`*)美桜さんの文章力羨ましいです!更新楽しみにしてます(>人<;) (2020年1月11日 18時) (レス) id: d985354645 (このIDを非表示/違反報告)
お肉 - リクエスト叶えてくれてありがとうございます!!これからも頑張ってください! (2020年1月11日 17時) (レス) id: 74901ad7b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年12月25日 18時