俺の継子が阿呆な件について【不死川実弥】

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何年ぶりだろうか、体調を崩し熱を出すのは。

最後に風邪を引いたのはまだ家族が生きていた頃だった。母さんによく看病してもらったのを覚えている。


朝方、目を覚ませば爽快な朝だった。昨日魘されていたことが嘘みてぇに。まだ夜は開けていなく、薄暗い。そんな中、布団の上にある温かいものに違和感を感じ、体を起こす。



「…………これじゃァてめぇまで風邪ひくぞォ」



そこには俺の眠る布団の端に丸まって寝ているAがいた。定期的に俺の額に乗せてあった氷嚢を取り替えてくれてたようだ。丸まって小さくなっているソイツに、……ったく、と言葉を落としてAを布団に引き込む。


いや、重すぎだろてめぇ。最近また太ったんじゃねぇのか。肩まで布団をかけてやり、その上をポンポンと数回叩く。


小さな一人用の布団に、体が出来上がっている男と女が寝ると流石に狭い。こりゃ絵面的にやべェなと思っていると、寝ているAがズズズッと俺の方にべったりとくっついてきた。



「……………お兄ちゃん」

「俺はてめぇの兄ちゃんじゃねェ」



ウヘヘ、といい夢でも見るのか笑っているAを見ては悪くねぇな……と思う一方だった。




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数日後、何故か俺の風邪がAに移っていて、Aは風邪にうなされていた。



「てめぇまでそうなってどうすんだァ」

「……畜生……師範私に風邪移しましたね……」

「てめぇが寒ィ中何もかけずに寝てるのが悪ィ」

「………なんですか……そんな私を布団に入れて温めてくれたのに………ぶへっくっっしょん！！！」



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「ほれ、食え」

「やり返しですか？私はそんな手には乗りませんよ。だって師範があーんしてくれるなんて初めてですから遠慮なく食べます。あーむっ」

「やっぱ自分で食え」



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