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鬼の血鬼術が頬をかすり、切れて血が溢れ出る。その血を舌で舐め、「私の血、そんなに上質?」と日輪刀を振るい、腕を切り落とす。
「な……!」
宇髄さんと善逸くんが援護に回ってくれてるお陰で隙が生まれやすい。全集中の呼吸でなんとか体を動かしているけれど、きっとこれ終わったら私ぶっ倒れる。
ぶっ倒れた挙句怪我して帰ってきたなんて知られたら、師範なんて言うかな。怒るだろうなぁ。「弱ェからそうなんだァ」って熱いお灸(拳)を入れられるんだろうなぁ。それでも生きて帰ってきたことをきっと彼は褒めてくれるはずだ。
「ヒュー……ヒュー……」
「風花、息切れしてんだろ」
「………して、ないです」
「Aちゃん、無理して死んだりしたら俺たちまで風のおっさんに殺されるから絶対に死なないでよね!!」
「死ぬ訳、ないじゃん!」
瞬間、鬼の腕が再生し終える。
ブチギレ状態の鬼に、「今度は首を切りおとす」と宣言する。あらあら、怒ったら綺麗な顔が台無しですよ。
「もう良いわ!!あんたら全員殺してやる!!!」
「ーーー惨めね、そんなことして貴方は幸せなの?」
胸に巻いてある善逸くんの羽織を解く。まだジワジワと出てきている血に、鬼が反応した。それで出来る隙は今はとても大きなチャンスとなる。
「………風の呼吸、玖ノ型、風神伊邪」
「ギャアァッ!!!!」
落ちた鬼の首の前に立つ。
やっと完成したかもしれない。調整は必要だけど、威力は抜群。鬼の頭を撫でて、「ごめんね」と呟いた。
「Aちゃん、大丈夫?」
「…………あぁ、うん、なんとか」
鬼が消えるのを見届け、空を見る。
宇髄さんは隠の応援を頼み、被害がほかに出ていないか確認に向かおうとする。私も行かないと、と足を動かす。すると、目の前が真っ暗になった。
「Aちゃん?!!!」
「風花!どうした?!……チッ、出血が多い!!善逸、傷口押えろ!強くだ!!」
薄れゆく意識の中で、私は小さく「師範、」と呟いた。
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めい(元れん☆)(プロフ) - はじめまして!ここまで一気に読ませていただきました!とても幸せな気持ちです本当にありがとうございます!私もこのようにすてきな作品を残せるよう頑張ります、これからも応援しています! (2020年10月27日 0時) (レス) id: fb108a381a (このIDを非表示/違反報告)
koyuzuki0627(プロフ) - 夢主ちゃんも不死川さんも可愛いですね〜読みながらしWWWなずWWWWWWがわWWWさんっWWWWWWってなることが多かったです私は恋愛オチが良いです (2020年2月3日 1時) (レス) id: a9af658367 (このIDを非表示/違反報告)
ハミイ(プロフ) - 師弟オチもいいですが、私は恋愛オチの方がいいです!! この小説とても面白いので、いつも更新楽しみにしています!!応援しています!! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 8cc530c36f (このIDを非表示/違反報告)
い ち ご ミ ル ク(プロフ) - 師弟もいいですが、やはり恋愛オチの方が私は好きです。これからも頑張ってください! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 49aff0a89f (このIDを非表示/違反報告)
あり - いつも楽しみに読ませて貰ってます!師弟オチでお願いします! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 5ec8350380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年12月8日 18時