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「………よォ、大丈夫かァガキィ」
「…………」
私のそばに来て、頭を撫でる彼はもう一体いることに気がつくとお母さんが死んでいる居間まで向かった。そして数分して戻ってきた彼は傷一つなく、まだ12歳だった私にはかっこよく見えた。
「あと少ししたら応援が来る、それまで待ってろ。じゃァな」
「…………」
突然やってきて、突然私の目の前から消えようとする彼に私は震えていた足を立たせた。お兄ちゃんの体が音を立てて畳に倒れる。「お兄ちゃんまってて」と一言言うと、私はそのまま彼を追いかけていた。
足には自信があった。
だからすぐに追いついたし、その後をついていっているとこっちを振り向いた彼はコメカミをピクピクさせて。
「ついてくんじゃねェ!!」
「…………!」
大きな声で怒鳴られる。
それでもなお、後ろをついていく私を彼はそれ以後怒鳴ることはなかった。そして彼が立ち止まった大きなお屋敷に、彼は「ついて来い」と言ってくれた。
蝶がたくさん飛んでいる。
知らない人たちが珍しそうに私を眺めている。「胡蝶、コイツ風呂に入れてくれ」と綺麗な女の人に私を頼んでいた。
それからお風呂に入れられ、べっとりとついていた血も綺麗に流れ落ちる。綺麗な着物を身につけたあと、彼は「てめぇどうしたいんだァ」と私の背丈に合わせた。
「………………いっしょ、」
「ハァ?」
「ーーー助けてくれて、ありがとう」
ニコッと笑うと彼はそうかィと言ってまた私の頭を撫でてくれた。その手が好きになり、初めて心を開いた家族以外の人。身寄りのない私を彼はここにいていいと言ってくれた。
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めい(元れん☆)(プロフ) - はじめまして!ここまで一気に読ませていただきました!とても幸せな気持ちです本当にありがとうございます!私もこのようにすてきな作品を残せるよう頑張ります、これからも応援しています! (2020年10月27日 0時) (レス) id: fb108a381a (このIDを非表示/違反報告)
koyuzuki0627(プロフ) - 夢主ちゃんも不死川さんも可愛いですね〜読みながらしWWWなずWWWWWWがわWWWさんっWWWWWWってなることが多かったです私は恋愛オチが良いです (2020年2月3日 1時) (レス) id: a9af658367 (このIDを非表示/違反報告)
ハミイ(プロフ) - 師弟オチもいいですが、私は恋愛オチの方がいいです!! この小説とても面白いので、いつも更新楽しみにしています!!応援しています!! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 8cc530c36f (このIDを非表示/違反報告)
い ち ご ミ ル ク(プロフ) - 師弟もいいですが、やはり恋愛オチの方が私は好きです。これからも頑張ってください! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 49aff0a89f (このIDを非表示/違反報告)
あり - いつも楽しみに読ませて貰ってます!師弟オチでお願いします! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 5ec8350380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年12月8日 18時