俺の継子が喧しい件について【不死川実弥】

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泣いていた私を見た師範は、あの時地面に額をつけて、「俺にAを預けてはもらえないでしょうか」とお願いしてくれた。一緒に過ごすようになってまだ数ヶ月だったけど、それでもそれとなく師範の性格を知っていた私は驚いた。




『鬼の存在が信用出来ないことは百も承知です。ですが、一度鬼に襲われた彼女がまた鬼に襲われないという可能性は低くはありません。少し特殊な血のようですし。俺がAを全身全霊かけて守ります。だから、Aの好きにさせてやってください』



あの時、たしかに私は思ったんだ。「この人に一生ついていく」って。師範の見た目のせいもあり、怖がっていたおばさんも、その姿に折れてくれたおかげで今の私がある。


流石に鬼殺隊に入る話をしたときは全力で止められたし、師範にもきっぱり「やめろ」と言われた。後から聞いた話だけど、おばさんが師範に言って辞めさせるようにしてたらしい。


まあ私の表情や決意を知ってか、弟子として剣士になるよう育ててくれたし、結果的に力もついて今じゃ彼の継子だ。


そんなおばさんは数ヶ月、うーんと二ヶ月前ぐらいからだっただろうか、同じ内容の文ばかりを送ってくる。それは決まって、未だに鬼殺隊の剣士を認めていないこと。もう一つが、



「二ヶ月前ぐらいから縁談の話をされてるんですよ私」

「…………は？」



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