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モサモサとおはぎを頬張る。
時間を見ると17時過ぎ。非番だってのに、継子であるAは朝からどこかに出かけた。アイツは暇さえあれば何かをしている。
「ただいま師範の可愛い可愛い継子帰りました〜!!」
玄関から聞こえてくる元気すぎてうるせぇ声。
誰が可愛いだ。クソの間違いだろォ。返事もせずに縁側でおはぎを食っていると、ドタバタと廊下を走る音が近くなった。
お前は本当にお淑やかという言葉を知らねぇらしい。こっちにやってきたAを見もせずに「廊下は走るなァ」と注意する。
「こっち見てくださいよ〜」
「んだようるせェなァ」
コイツ何してんだその姿は。
フッフッフーと得意げにしているのはてめぇはついに頭がいかれちまったのか。俺と同じように隊服の前を開けている。サラシをしているものの、その姿は納得いかねぇ。
「どうですか!師範の真似ですよ!!」
「………」
「………………、師範…?」
Aの前に立ち上がり、ちっこいコイツを見下ろした。どこか恐怖心を抱いているAの頭に手を振り下ろす。
「あぎゃあああああ!!!痛い!!すごく痛い!!頭割れてない?!!」
思いっきり手の側面で叩いてやると、Aは悶え苦しむ。その場に蹲るAの胸ぐら、いや胸ぐらはつかめねぇ構造になっていたんだった。隊服を掴みあげる。
「ヒェッ」と涙目のAの隊服を掴んだせいで、女のそれを巻いたサラシが綺麗に顔を出した。サラシ、ゆるゆるじゃねぇかてめぇ。
「てめぇは女なんだからんな格好すんなァ。俺の真似する必要ねぇだろォ」
「…………えー、ちょっと遊び心あったのに〜。もしかして、師範私のこの姿に慌てちゃいましたぁ?」
「……………」
カッと目をかっ開く。
すると、サーッと青ざめたAに、俺は無言で羽織をかけた。「他の男の前でそんな格好してると襲われるぞォ」と注意した。
「さっさと着替えてこい」
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紅梨 - なんか不死川さんの優しさがにじみ出てました!あと、不死川さんの継子を想像したりして読みました。すごく微笑ましい話ですよねーww (2020年3月15日 19時) (レス) id: e55b1dd1f6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜(プロフ) - 美桜さん» 態々御返事していただきありがとうございます!採用していただき感謝感激です!!これからも更新無理しない程度に頑張ってください。応援してます。お身体にはお気をつけて! (2019年12月16日 4時) (レス) id: 6250b56f0b (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 白夜さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません。タイトルネタ採用させていただきました!これからもよろしくお願いします! (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - となさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってすみません。何回も読んでもらえて嬉しいです。これからも頑張ります!! (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 結夢さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません。指摘ありがとうございます。疲れのせいで間違えました(言い訳)これからもよろしくお願いします (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年11月23日 13時