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「鬼の匂いだ」
「鬼の音だ」
2人の声に、女の子を地面に下ろす。「……お、お兄ちゃ、」と震えている彼女に、昔の自分を重ねてしまう。
「今からお姉さんたちが貴方の家の中に入るけど、大人しく待ってられるかな?」
「…………行っちゃうの?」
「うん、中にいる怪物を倒しにいく。大丈夫。絶対に中にいる奴許さないから」
立ち上がり、女の子を安全な場所に隠れさせ、お守り代わりに藤の花の香り袋をたくさん持たせる。準備はできた。そう思った直後、善逸くんが叫んだ。また始まったようだ。
「怖い!すごく怖い!」と何度も連呼する彼に、炭治郎くんが励ますように声をかけるけどなかなかと立ち上がらない。私は彼の前に屈みこんで、善逸くんと目線を合わせた。
「そんなに怖い?」
「え、なに、Aちゃんが守ってくれんの?」
「質問の答えになってないんだけど。ま、いいや。君は女の子に助けられて男としてのプライド傷つかない?」
「えっ」
固まる彼に、ニヤリと笑う。
「善逸くんに私守ってもらいたいな♡」と言うと、彼は逆毛を立てて「よし、行こう!!さあ鬼退治へ!!」と勢いよく立ち上がった。ちょろいぜ。
「この中には恐らく2体鬼がいる」
「よくわかったなお前」
「強さに比例して、鬼の数と食った数がなんとなくわかるようになってきたの」
さあ行きますか、そう言って玄関を蹴破る。
まさかそんな入り方するとは思っていなかったらしい炭治郎くんと善逸くんは驚いていた。中に入り、走って鬼の気配のするところに向かう。三人に一体の鬼を任せ、私はもう1体強い気配のする鬼の方へと向かった。
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紅梨 - なんか不死川さんの優しさがにじみ出てました!あと、不死川さんの継子を想像したりして読みました。すごく微笑ましい話ですよねーww (2020年3月15日 19時) (レス) id: e55b1dd1f6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜(プロフ) - 美桜さん» 態々御返事していただきありがとうございます!採用していただき感謝感激です!!これからも更新無理しない程度に頑張ってください。応援してます。お身体にはお気をつけて! (2019年12月16日 4時) (レス) id: 6250b56f0b (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 白夜さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません。タイトルネタ採用させていただきました!これからもよろしくお願いします! (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - となさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってすみません。何回も読んでもらえて嬉しいです。これからも頑張ります!! (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 結夢さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません。指摘ありがとうございます。疲れのせいで間違えました(言い訳)これからもよろしくお願いします (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年11月23日 13時