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「ははっ!玄弥と実弥さんって本当似てますね」
「そうかィ」
「はい。初めて見た時は目元そっくりだなって思ってました」
けど、こうして話をすると二人の似ているところはまだあるのだと気づけた。お互いがお互いを信頼している。玄弥のこと相当可愛がっているんだなって感じた。
ちょっとした口調や仕草もやっぱり二人は兄弟なんだと思わされる。一人っ子の私にはわからない、兄弟の絆、というものを見せられている感覚だ。
「玄弥、勉強苦手だけどいつも頑張ってますよ」
「アイツァ昔から勉強出来なかったらからなァ」
「実弥さんはできたんですか?」
「まァ、それなりになァ」
目を伏せていた長いまつげが上を向く。
こちらを見た彼と目があうと、えへへと笑顔を見せた。実弥さんは少し動かなくなった後、「まあこれからもアイツと仲良くしてやってくれよ」と言った。
玄弥は大学に入学してから初めて出来た男の子の友達だった。優しいし、見た目と裏腹に可愛いこところも結構ある。これからも良い友達でいたい存在だ。
「一つ聞いてもいいですか?」
「なんだァ」
お酒を口にしている実弥さんに聞いてみたい。
会って数ヶ月、ましてや弟の友達がこんなこと聞いてくるのおかしいかもしれないけど、どうしても知りたい。
「………彼女、いるんですか?」
間を取った後にそう聞くと、彼はお酒を喉に引っかからせてしまい大きくむせた。慌てて背中を摩ってあげる。口元を腕で拭う彼は「……いねぇけど」とボソリとつぶやいた。
その答えが嬉しくて、背中を摩るスピードを早める。
「そうなんですね」と笑っていると、摩擦熱が熱ィと笑われた。久々にこんなに咽せたわァと咳払いをする彼は、終始笑っていた。
笑うとこんな顔するんだ……とその様子を見つめていた。その姿に見惚れていると、こちらを見た彼と目が合う。
「………顔が赤ェぞ」
「………はい」
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています!!よろしくお願いします!! (2021年1月24日 9時) (レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます!映画館のくだり〜!ありがとうございます!!キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます!単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして!初コメです!以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです!更新頑張ってください!陰ながら応援してます!! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2021年1月14日 18時