夜兎女の攻略法.【沖田総悟】

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「ほら、粥だ」

「……ありがとう」


翌日、私は熱に侵されていた。
昨日雨に濡れてしまったことが原因だろう。

神楽ちゃんも出かけて、新八くんもいない。銀さんと二人きり。銀さん特製の卵粥を食べながら、テレビを見ているとテレビに真選組が映った。


銀さんが気を利かして、チャンネルを変えた。
別に気を使わなくて良かったのに。そう思ったけれど、銀さんは次の瞬間、「間に合ったぜ」と嬉しそうに顔を綻ばせた。


テレビを見ると、結野アナが出ている番組だった。
これは完全に私を気遣ってテレビの番組を変えたのではない。自分が見たい番組出なかったからかと悟った。



「そういや、お前沖田君とはどうなったの」

「……まあ色々、とね」

「どうせまた沖田君が何か言ったんだろ」



鋭い銀さんは、「不器用だなァ」と鼻をほじって言った。不器用なのかもしれないけれど、言わせてしまっているのは私の方だし、総悟だけが悪いとは言い切れない。


チャンネルを再び真選組の特番に変えた彼を横に、テレビを見た。そこには近藤さんや土方さんがいて、もちろん総悟も写っていた。いつもは土方さんにちょっかいを出しているけれど、無表情で立っているだけだった。


「沖田さん、」と呼ばれ、カメラを向く総悟。
テレビ越しになんとなく見つめられてる感覚に陥ってしまう。取材でいろいろと質問されているけど、完全無視を決め込んでいた。



「ーーー若いねぇ」



頬を染め、テレビから目をそらす私と、テレビの中に映る総悟を交互に見た銀さんはそう言った。



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