81 ページ33
*
「総悟!」
屯所まで走ってきた私はちょっと息切れを起こしていた。総悟の部屋に入ると、そこにはお風呂上がりの寝間着姿の彼がいた。私を見るなりすごい顔で睨んでくる。
「私、何かした?」
単刀直入にそう聞いた。
私を見ていた紅い瞳は前を向き、私を写さなくなる。総悟に近づいて、「土方さんに明日の休み取り消してもいいって言ったってほんとなの?」と肩に触れた。
だけど、総悟は私の手を振り払った。
初めて振り払われた。それは痛いぐらいに胸に突き刺さる。いつもなら触んなとか言っては嬉しそうにしているのに、一体何があったの。
「ねぇ、総悟」
「……お前、神威のことどう思ってんだ」
「神威は今関係ないでしょ」
いきなり神威を持ち込んできた総悟に、私はそう伝えた。だけど、再び同じことを聞いてきた総悟に、「神威は大切な人だよ」と答える。すると、立ち上がった彼は私に近づいて、「俺の部屋から出て行け」と冷たい視線で見下ろした。
眉を寄せ、総悟を見るけれど、総悟は私から視線を外すと私の腕を取り、無理に部屋の外へと押し出した。パタンと閉められた襖に私は「何を怒ってんのかわからない」と言葉を投げた。
「明日ちゃんと来てよね」
「…………」
「私待ってるから」
一つも返事を返さない総悟に私は何度も続けて言葉を投げかける。総悟の部屋の電気が消え、真っ暗になる。「……総悟、」そう呟いた私の声は暗闇に消えていった。
.
1228人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年9月19日 19時