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「す、すみません、ちょっとお手洗いに」
「お、おい、A!」
「どうぞ」と了承した宮本さんに笑顔を向けて、足早にトイレへと行った。なんでこんなに注文が多いのだ彼は。質問攻めにあったかと思いきや、次はキスをしろだと?
いや、キスで理解してくれるならしてやってもいい。だけど流石に土方さんに悪いし、私もちょっと気が引けてしまう。
「(……こんなとき、総悟がいたら)」
彼だったらきっと助けてくれる。
そう思っては、自分は何を考えて…と頭を左右に振るった。軽く触れるだけ、それだけできっと宮本さんはもう諦めて故郷に帰ってくれるだろう。
大丈夫、大丈夫…そう唱えながら、テーブルへと戻る。未だ白目を剥く、土方さんの隣に座って「と、十四郎」と彼の名を呼んだ。
「き、き、き、キスしよう」
「は?」
固まる土方さんを見、彼の肩に手を添える。
土方さんのことは尊敬しているだけの人だから、少し1秒ぐらい触れればいいだけだ。それでも好きじゃない人とキスするのが嫌で、体が震えた。
「お、おい…!」と慌てる土方さん。
再び土方さんに「すぐに終わるから覚悟決めて」と最後にアイコンタクトを送って目を閉じた。
後数センチ、頑張れば終わる。
どうしよう…と戸惑いながらも必死になって頑張っていると、私の腕が勢いよく後ろへと引かれた。
「……テメェ、何やってんでィ」
私の腕を引いた紅い瞳の彼。
眉を寄せている総悟に「え、」と困惑していると、総悟は私から視線を土方さんに移し、「土方コノヤロー」と顔の横スレスレに刀をぶっさした。
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美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年9月19日 19時