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「まじめに学校に行こうと思う」
その場にいるイザナを覗く3人が「おぉ」と声を揃えた。学校に行ってやりたいことなんて今までなかったけれど、とりあえず高校はちゃんと卒業してそれなりの大学にも行っていつかお父さんを見返してやろうなんて思ってみたり。
「だから、髪の毛をまず染めようかなって」
「えー、金髪可愛いじゃん」
マイキーくんとエマちゃんは頬を膨らませ、断固金髪!と現状維持希望。「ま、大学目指すんならそれもありなんじゃね?」と背中を押してくれた真一郎くんにお礼を言って、隣のイザナに視線を向ける。
「明日、美容室連れて行って欲しいのイザナ」
「…………めんどくせぇから明日の気分次第な」
「じゃあ一人で行ってくるね」
「俺が連れてってあげようか?」
イザナの次にすぐに声を上げた真一郎くん。けど、彼は痛みに顔を歪め、「痛ぇ!イザナ踏むより言葉で表現しろ!」とイザナに怒っていた。どうやら足を踏まれたらしい。
翌日、美容室に出掛ける支度をして玄関に向かう。すでに支度を終えていたイザナが玄関に背中を預けて待っていた。気分次第っていってたけど、連れて行ってくれるんだと嬉しくなる。
バイクの後ろに乗せてくれたイザナと一緒に原宿か表参道方面へと話しながら向かった。原宿でクレープを食べていると、「大将〜」と蘭くんと竜胆くん。
「あなたたちはいつも一緒ですね」
「俺ら仲良し兄弟だから」
イザナへと絡み始めている蘭くん。そして竜胆くんは「デート?」とニヤリと笑いながら聞いてくる。「美容室に行こうとしてて」と説明すれば蘭くんがおすすめの美容室を教えてくれた。
蘭くん行きつけの美容室だから高そう。断ろうかとも思ったけれど、多分無理やり行かされるだろうし、イザナも行く気満々に二人に話しながら歩き出す。
地毛だった時の写真を美容師さんに見せてカラーをお願いした。待合の椅子に三人座る彼らを横目に「誰の彼女?蘭くん?」と美容師に聞かれて首を振るう。
「けど、気になる人はいます」
「青春だね」
鏡越しに見えるイザナを見て、頬を緩める。家族や私に見せる顔とはまた違う表情。もっといろんな顔が見たいななんて思ってしまう。
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頭ン中お花畑(プロフ) - とっても甘々で最高でした。ニマニマが止まらないし、本当に胸がキュンキュンするーっ! 最高のイザナ夢をありがとうございました。寿命が伸びた気がします (1月7日 23時) (レス) id: 67d18bea8c (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 天竺編10月始まる楽しみ今からイザナ見るの待ちきれらない (6月21日 0時) (レス) id: 67f766a775 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - イザナの名言天竺編で見れるの楽しみです。 (6月12日 1時) (レス) id: 67f766a775 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - ↓ごめんなさい 間違えました (5月15日 22時) (レス) id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - あ (5月15日 22時) (レス) id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2022年11月13日 16時