＿＿黒。【呪術廻戦】

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『呪霊ってさ、……どんな味がするの』


自分にでもわかるくらい、目を見開いたのがよく分かった


悟にも硝子にも同じようなことを聞かれたことがあるし、驚くようなことじゃない


けれど彼女は、2人とは何かが違かったんだ。


キャラメルの包装紙を開きながら彼女は言う



『……凄く、辛そうだから』


声のトーンも声量も、先程の会話と変わらない


だが、雰囲気が違う


俯いていた彼女は顔を上げ、私の方へ視線を向ける



言い訳は通用しない、私にはわかっている。まるでそういうように、私を見つめた



「……Aには全部お見通しだね」


目で訴える。と言うのはこういう事なんだろう


『それはこっちのセリフでもあるんだよ』



隠してること、すぐ見抜いちゃうじゃん、と言うAはやれやれと言うように笑うのだから、思わず私も笑ってしまった。


その後は談笑が続いた。雰囲気はいつものように戻っている。



『所々似た者同士だね、私達』


「それについては私も同感するよ」


『呪霊がいなくなる日なんて、くるのかな』



「……さぁ、どうだろうね、」



貰ったチョコレートを、口に放り込む。

ほのかな甘さが、口の中に広がる。ゆっくり、ゆっくりと、呪霊の味をかき消すように。


…私はそこでやっと、気がついた。


彼女が毎回、私に何かしらくれる理由はこういう事だったのか、と。



＿＿甘くて、苦い。



再度、私はまたこの気持ちに気付かされるんだ




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