【H×H】暗殺一家の長男、少女を拾う【イルミ】 (ページ1)

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第１夜ページ1

私の1日は箱(へや)の中で終わる。

生れながらにアルビノと言う病気を持っていた私は、身体は丈夫では無く日焼け対策をしても10時から14時の、強い日差しの時間帯は外に出れなかった。
それでも、少しなら出掛けることは出来たし、それなりに幸せだったと思う。
そんな日々も突然の事故で母を亡くした事で一変した。

母をとても愛していた父は、母に似た私を見たくないがために、病気を理由に二階の部屋に私を追いやった。
幼い私は、母を目の前で亡くしたショックからか、色が見えなくなった。
幼かったが故に、色という物を覚えていないけど、はっきり覚えてる物が一つだけあった。

母の血の色だった。
赤だけは鮮明に私の頭の中に居座り続けた。

そんな私の1日は、起きて朝食を食べて本を読んで、昼食を食べて、本を読んで夕食を食べてシャワーを浴びて終わる。
とても退屈な時間。
本を読むのは好き。自分の置かれてる状況を忘れることができるから。
そして、そんなささやかな日々で一番楽しみなのは、部屋の窓から見える夜空だった。
森林に囲まれた屋敷から毎晩、黒の中に点滅する白は私が唯一他の人と変わらず見れる景色、私はそれが好きだった。

そんなある日、ボーっと森の方を眺めてると何かが横切った気がした。
それと、目があった気がした。
暗い上に、色を正確に識別できないせいで私はそれを気のせいだと思うことにした。

けれど、それ以降も時々、同じ物を見る事となった。