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道端で倒れている女の子を、ぼうっと眺めていた。
手を差し伸べてあげる人はいなくて、可哀想だなぁって。
そんな中、1人の男の人がそのこの前に立ち止まった。
世界がぐるっと入れ替わる。
今度はどこかの室内。宿屋さんかどこかかな。
さっきの女の子はベッドで眠っていて、すぐそばの椅子に男の人が座ってる。
｢(ずっと寝てるなぁ、あの子)｣
そんな事を思いながら、また私はその光景を眺めてる。
女の子が起きた。
不安と、警戒の眼差しで男の人を見ている。
男｢あ、起きた？ 大丈夫そ？｣
少女｢…だれ、ですか？｣
男｢旅人だよ、今日この国に来たばっかり
道端に女の子が倒れてたから近くの宿まで運んできたって感じ｣
少女｢へぇ…その女の子、大丈夫かなぁ｣
男｢いやお前のことだよ｣
｢(いや君のことだよ)｣
思わず心の声がハモってしまった。
女の子は驚いていて、わたしのこと？と聞き返す。
男｢そーだよ、なんであんな所で倒れてた？｣
少女｢……眠たくて｣
男｢だからって道端で……｣
少女｢観光でこの国に来たって言ってたっけ、おにーさん｣
怯えた小動物の様な目付きから一転して、いたずらっ子のように笑って、その子は言った。
少女｢助けてくれたお礼に教えてあげるよ
ここは、観光に来るような国じゃない｣
男｢そんなに治安悪いのか？｣
少女｢治安…というか、貧富の差が問題かなぁ｣
男｢というと…？｣
少女「この国じゃ、休む暇もなくみんな働かせられて、貴族や王国関係者以外は寝る暇も与えてもらえないんだ」
視界が揺れて、上手く2人の顔を認識できない。
どこか不快な気分になった。
そのセリフはどこかで聞いたことがある。
いや、言ったことがある。
少女｢あることないこと吹き込まれてこの国から出られなくなる前に帰った方がいいよ｣
男｢…そんな言うなら、お前は逃げ出したいとか思わないのかよ｣
少女｢……私が居なくなったら、次は別の子があの仕事をしなくちゃいけないから｣
男｢仕事って……まだ子供だろ、お前｣
子供は子供らしくわがまま言っとけ、と少し雑に頭を撫でられる少女。
私も無意識に自身の頭を触った。
なんでこんなに懐かしいんだろう。
少女｢…どこから、きたの？｣
男｢運営国ってとこ。隣の国だな｣
少女｢うんえいこく、うん、覚えた｣
いつか、私もそっちに行きたいな
そう言う少女は
いや、あれは
昔の、私だ。
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りりべら(プロフ) - 神崎いのりさん» ご愛読ありがとうございました！ リアルが多忙になってきて更新が遅くなりますが、別作品も見て言って貰えると嬉しいです！ (2022年9月4日 16時) (
レス) id: 981ea3431f (このIDを非表示/違反報告)
神崎いのり(プロフ) - 完結おめでとうございます！！読むたびに続きが気になって気が付けば最後まで読んでしまいました…w 最後の方は涙が止まりませんでした。りりべらさんの小説本当に大好きです…！これからも是非応援させてください…！ (2022年9月2日 13時) (レス) id: b90c6d901b (このIDを非表示/違反報告)
りりべら(プロフ) - あいらさん» ありがとうございます！面白いと思って貰えるような作品が作れて良かったです！ もうひとつの方も頑張っていきます！ (2022年8月19日 14時) (レス) id: 981ea3431f (このIDを非表示/違反報告)
あいら(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても楽しく読ませていただいてました！もうひとつの方も面白くてとても好きです！これからも応援しています！ (2022年8月19日 11時) (レス) id: 0ceca43302 (このIDを非表示/違反報告)
りりべら(プロフ) - なのさん» ありがとうございます！感動的なシーンって難しいですね…w読んでいて引き込まれるような作品作りを目指して頑張ります！ (2022年8月18日 19時) (レス) @page29 id: 981ea3431f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりべら | 作成日時：2022年8月9日 3時
