紫緑 1 ページ44
「克樹‥息止めないで」
はふはふと苦しそうに息を吸う克樹に声をかけた。
何度言ってもキスする時に息を止めてしまうらしい。
苦しそうな姿を見ると胸がギュッと痛んで‥なんとか上手く息継ぎしてもらおうとするけど、正直言ってその慣れない感じが堪らない。
いつまでもそのままでいてほしいような、もっとイヤらしい事についてきて欲しいような。
俺にとっては複雑な心境だ。
「息‥吸って？そうそう上手」
冷静ぶって教えこもうとしてるけど、俺の頭の中はエラいことになってる。
克樹が可愛くてたまらなくて。
このまま食べてしまいたい。
舐めてかじって飲み込んで。
全部全部俺のモノにしてしまいたい。
‥妄想が膨らんでおかしくなりそうだ。
克樹の普段の顔はグループの司令塔。
みんな相談事があると大抵克樹のところに行く。
俺にとっても頼れるお兄ちゃんのひとりで。
表面上はわちゃわちゃと喧嘩したりからかいあったりしてるけど、やっぱり意見を聞きたい時は克樹に聞きに行く。
‥でも、恋愛に関してはまるっきり奥手で。
キスひとつ取ってもいちいち初々しい。
あの見た目だから誘いも多いだろうと思いきや、
近寄り難いと誤解されるからか、曖昧なニュアンスを感じとれない鈍感ぶりを発揮して気付いてないだけなのか
ハッキリ告白してきたのは俺が初めてらしい。
「お前を狙ってる奴なんてゴロゴロいる」
その言葉を飲み込むかわりに
「神様、俺にチャンスをくれてありがとう！」
呟いて天を仰いだ。
俺の告白に真っ赤な顔をしてモジモジとしている克樹に
「イヤなら止めるから‥ちょっとだけキスしていい？」
返事を待たずに克樹の長い前髪をかき分けて額に軽くキスをした。
えっ？と戸惑っているうちに唇も奪った。
それからはふたりきりになる度に頬や指やこめかみ‥色んな箇所に唇を降らせた。
もちろん唇にも。
‥警戒されないように、唇を合わせるだけの、極々軽いキス。
まぁそれでも克樹のダボっとした半袖シャツの袖をサッと捲って二の腕にキスした時は
「ひゃっ！？」なんて声を上げた後に一生懸命首を横に振ってたけど。
‥体型隠しのつもりのそのブカブカの服、かえってえっちいんだよ！
教えてやろうかと思ったけど、お楽しみが減るからやめた。
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りぷる(プロフ) - ベルマークが100個１００個さん» コメントありがとうございます♡感想言っていただき励みになりました。なかなか更新出来ていませんが、これからもお読みいただけると嬉しいです！ (5月14日 17時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
ベルマークが100個１００個 - 面白いと思いますこれからも期待してます (5月14日 16時) (レス) @page33 id: 9c8e27407b (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさんコメントありがとうございます！嬉しいです！あったかいお言葉いただきやる気が出ました！名無しさんの事も応援してます！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 遅れましたが移行おめでとうございます〜！りぷるさんが描く白さんが大好きです……！これからも応援してます(^^) (2021年9月8日 15時) (レス) id: 8d128bf771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年9月4日 11時
