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ドサッと音を立ててベッドに仰向けになった大光ちゃんの左腕が伸びてきて、わたしに届く前に止まった。
‥？
その腕を見つめていると
「ん！」
大光ちゃんは半ばヤケクソ気味に聞こえるような声で言った。
腕枕‥？してくれるって意味かな‥？
そろそろと身体を寄せて、なるべく重たさを感じさせないようにそっと頭を乗せた。
静かに寄り添うと、自分の身体がちょうどよく収まって、そこがまるで昔からの自分の定位置みたいに思えた。
大光ちゃんとこんなふうに寄り添うのは初めてのはずなのに、ずっと前からこうしていたような気がする‥
触れ合うと、大光ちゃんの体温が心地よくて。愛おしくて。
自分の気持ちが凪のように静かになっていくのがわかった。
「大光ちゃんの体温、安心する‥」
「なんだよこれ。この状況でなんも出来ないって‥拷問か」
ぶつぶつと呟く大光ちゃんにそっとしがみつくと、
グッと引き寄せられて、こめかみに一瞬、唇の感触があたった。
ちゅ、と小さな音が胸に響いて、幸せな気持ちが込み上げてくる。
それからかかった髪をはらうように頬を撫でてくれた。
その感触が心地よくて。
溶けてしまいそう‥
ぼんやりと幸せに浸っていると
「あーもう。そんな顔するなって」
ちょっと怒ったように大光ちゃんがわたしを覗き込んできた。
「だって‥大光ちゃんが気持ちよくするから‥」
「あのさー、気持ちよくとか‥そんなこと言う？拷問受けてる奴に向かって」
呆れたような声だけど、その瞳は優しくて。
「駄目‥？」
「いいけど！いいけどさ‥！」
ちょっと溜息をついたあと、大光ちゃんはギュッとわたしを抱きしめてきた。
「俺の前でだけにして。俺以外の男にそんな表情見せないで」
「見せないよ‥
大光ちゃんが一生見張っててくれるんでしょ‥」
抱きしめあった後、照れたようにお互い見つめあう。
それからまた大光ちゃんは戯けたように笑ってから言った。
「付き合い始めたらさ、ねーちゃんに報告するの恥ずかしいからAちゃん言ってよ」
ずいぶんと大人びた大光ちゃんが久しぶりに見せた、甘えた弟みたいな表情。
それがなんだか可愛くて。
「えー！わたしだって恥ずかしい。大光ちゃん言ってよ！」
そんな風にワザと言って、ベッドの上でふたり戯れながら、幸せな気持ちで目を閉じた。
White_cassis orange（Rei.Y）1→←16
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りぷる(プロフ) - めがねさん» コメントありがとうございます♡素敵な感想をお寄せいただき嬉しいです！拙いお話ばかりですが、これからも読んでもらえたら嬉しいです♡ (2024年1月29日 5時) (
レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
めがね - 切ないお話に胸がいっぱいです。素敵な作品をありがとうございます。 (2024年1月29日 2時) (レス) @page12 id: 2d5e7fc344 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - ひとみさん» 矢花さんの大人っぽくも少年らしさがあるところが好きなので、学生時代設定が多くなってしまいます‥ひとみさんいつもありがとうございます♡ (2023年2月28日 6時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 矢花君連続で嬉しいです^ - ^前作もすごく良くて、制服矢花君見たくてYouTubeの青春シリーズ見返しちゃいました^ - ^今作もきゅんきゅんですね♡続き楽しみにしてます♪ (2023年2月27日 21時) (レス) @page42 id: ae75e2ccfb (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 靴下さん» いつもコメントありがとうございます♡靴下さんから感想いただくとなんだか安心するような嬉しい気持ちになります！切ないの好きって言ってもらえるの嬉しいです。またお読みいただけると嬉しいです♪ (2022年12月26日 7時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2022年11月19日 18時
