第3話 ページ4
「何の用アルか?」
たった今団子を注文してきた客に怪訝な顔を向ける神楽ちゃん。
私はその人物が入ってきた瞬間分かってしまった。
あの人と同じ髪の色に目の色、成長していても雰囲気は全く変わっていない。
『沖田総悟』だ。
やばい、ばれたくない。もう関わりたくないの。
思わず冷や汗がたれる。
「またサボりかよおめーは」
「旦那ぁ、そちらの女性は?」
団子を頬張りながら横目でちらりと私を見る。
私は必死に目を合わせないように、ずっと下を向いている。
「具合悪いアルか?」
「え?いや、はは、大丈夫だよ」
急に黙った私が気になったのか心配してくれる優しい神楽ちゃん。
本当は全然大丈夫じゃない。きっと今私の顔色はひどく悪いだろう。でも、こんなにやさしい神楽ちゃんに迷惑はかけたくないから。
心配そうな目を向けながらもしっかり団子を頬張っていた。さすが神楽ちゃん。
「今日から万事屋で面倒見ることになったやつだよ」
「ふーん」
沖田総悟は興味のなさそうな返事をしながらも私の顔をガン見している。
「へ〜、旦那のそばに追いとくにはもったいないくらいい女じゃないですかぃ」
・・・・・やっぱり見た目がすべてだよね?人間判断基準なんて9割くらい顔だし。
「何?総一郎君ホレちゃった?」
いやまって。
誰!?総一郎!?
「総悟です」
だよね?え?銀さん絶対名前覚える気ないよね?
「Aです。どうも」
短く名前だけを名のった。よろしくなんてしたくもないし、頭とか下げるのも絶対に嫌。
「A?」
「どうかしましたか?」
「いや、昔知り合いにいた名前と同じだったから気になっただけでぃ」
ふーん、あんな振り方してても名前くらいは覚えてるんだ。絶対忘れてると思ってた。
「おいクソサド!いつまで私のAと喋ってるアルか!」
いったい私はいつ神楽ちゃんのものになったんだろうか?
「あ?お前のじゃねーだろうが」
「私のアル!」
「お前ら喧嘩するな〜」
銀さんの間延びした声が響く。いや、全然止める気ないじゃん。
「あっマヨラーーーー」
神楽ちゃんが突然立ち上がったかと思うと大声で外に向かって叫んだ。
誰かを呼んだようだ。
「その呼び方ヤメロ」
沖田総悟と似たような服装をし、煙草をくわえたイケメンが神楽ちゃんに言った。
うわイケメンだよ。ほんと、整った顔してるわ。
「って、総悟お前なにサボってんだ」
「あっやべっ」
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いずみ(プロフ) - 沖田夕重さん» 読んでいただきありがとうございます。亀更新ですがこれからも読んでくださると嬉しいです! (2019年3月25日 20時) (レス) id: ce54617277 (このIDを非表示/違反報告)
沖田夕重(プロフ) - とても面白いです!夢主ちゃんが憎めなくて魅力的なキャラだと思います。更新頑張ってください! (2019年3月25日 20時) (レス) id: e33e8487ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いずみ | 作成日時:2019年3月5日 16時