第20話 ページ21
「こんばんは、晋助」
あの夜から私はたまに会いに行っておしゃべりに付き合ってもらっている。
「あぁ」
晋助は自分のことは話さないし口数も多い方じゃないけど私の話をしっかり聞いてくれて相槌までうってくれる。
「それで、真選組ではこんなことがあってるんですよ」
とても話しやすくて安心する。
「晋助は最近何してるんですか?」
聞いちゃダメかな?少しずつでも知りたい。私の事ばっかりじゃなく、晋助の話も聞きたい。
「特に何もしてない」
やっぱり教えてくれないのかな?
「そうですか。私の話、つまらなくないですか?迷惑になってませんか?」
「迷惑じゃねえよ」
「でも、私ばっかり話してて」
「俺が話さねぇのは話せるようないい奴じゃないからだぜぇ?こんなところにいるぐらいだし悪い事ばっかりやってるしな」
「晋助は悪い人なんですか?」
「そうかもなぁ」
「そうですか」
「怖くねぇのか?」
怖い?いったい晋助は何を言ってるんだろうか。
「まったく。私にとってはいい人ですから」
「ふーん、都合のいい人ってことか?」
「まあ、そうなりますね」
「変わったやつ」
「ふふ、よく言われますよ」
そう、私にとって晋助は都合にい人。
私の話に肯定はしないけど絶対に否定もしない。
静かに聞いてくれる。和ませてくれる。
「それではそんな都合のいい晋助にひとつ、昔話をしてもいいですか?」
「あぁ、好きにしな」
”昔々、あるところに太った女の子がいました。早くに母親を亡くし、父親と一緒に田舎に引っ越してきたのです。父親は都会に働きに言っていたため、ほとんど顔を合わせることはありませんでした。
その子は食べる量は普通でしたが太りやすく、コンプレックスを抱えていました。
街を探検していたら一人の女性と出会いました。その人は優しく、大人びていて少女には母親のように見えました。
その人は少女に良くしてくれて、毎日その女性のもとへ通うようになりました。
その人には弟がいて少女と同じ年でした。
年が近かったのもあり、少女と弟君も仲良くなりました。
三人で楽しく毎日遊んでいたのです。
少女はいつしか思うようになりました。ずっとこんな日々が続けばいいのに、と。
しかし、そんな日々はそう長くは続きませんでした。
三人が出会って数年が経ったある日、弟が言い出したのです。
「僕、江戸に行く」
と。”
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いずみ(プロフ) - 沖田夕重さん» 読んでいただきありがとうございます。亀更新ですがこれからも読んでくださると嬉しいです! (2019年3月25日 20時) (レス) id: ce54617277 (このIDを非表示/違反報告)
沖田夕重(プロフ) - とても面白いです!夢主ちゃんが憎めなくて魅力的なキャラだと思います。更新頑張ってください! (2019年3月25日 20時) (レス) id: e33e8487ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いずみ | 作成日時:2019年3月5日 16時