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prrrr…




奨「はい?」




『Aですけど…今時間いい?』




奨「…うん。」




『どうしても、伝えたくて…』




『奨くんが、うちを好きって言ってくれて嬉しかった。ありがとう。昔のあの子は、奨くんだったんやな。それも言わないでおったんや。』





奨「探してたから、名乗り出たらあれかなって」




『うちね、奨くんが大好きだった。初恋どうこう関係なくて、真っ直ぐで、笑顔がなんだかクセになる可愛さで、暖かくて、いつも心臓が苦しくなるくらい、奨くんが好きです。』




奨「…A、今どこ」




『でもね、奨くんを選べないの。…ごめん』




『奨くんより……汐恩が大事なの。』




『だし、優は裏切れない。…だから、ごめんね』




奨「…わかった、ひとつ聞いていい?」




奨「俺の事、もう好きじゃないの?」




『…やめてよ、そう言ってるじゃん』




奨「じゃあなんで泣いてんの」





『…なんで、』




奨「好きだもん。わかるよ。」





奨「なかなか諦め悪くてかっこ悪いけど、好きだから。まだ気持ちが俺にあるなら、もう少し頑張りたい。諦めたくない。」




かっこ悪いと、思われたくないけど、



可能性があって諦める方がかっこ悪い。





奨「また明日ね。沢山話そ。」




奨「沢山触れて、俺を選んで。」




そう言って、電話を切った。

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作者名:かきのたね。 | 作成日時:2020年4月5日 1時

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