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youside
鶴祖母「はぁ〜、久々にゆっくり話せたし、Aさんは相変わらずお料理上手やし、うちの汐恩にはほんま勿体ないわぁ」
「そんなことないですよ?汐恩にはいつも助けられてますし、こちらこそ私にはもったいない友人です」
鶴祖母「友人やなんて。もうそんな距離とる言い方せんでええんよ?」フフッ
「お気遣い、感謝致します。」
お祖母様は車でホテルへ帰られ、
汐恩と2人で、片付けをした。
今は一人がいい。そう思ったが、聞いてはくれない
カチャカチャ
ザァーッ…
鶴「もうすぐやねんて。」
「…なにが?あ、あれか…」
「汐恩も、もうそんな歳やねんな。」
鶴「不自由で、自由な、子どもでも大人でもない時間はあっという間やな。」
「初め聞いた時は意味わからんかったけど、」
「今はなんとなく、その言葉が大事に思える」
音が無くなるのが怖くて、水はいつもと違って出しっぱなしで、なるべく、2人ぼっちにならないよう
そして、考えてた。
考えてたのは、
鶴「A」
「ん?」
鶴「俺、正直、最初はほんの興味で、特別なんかやない。そう思ってた。
でも、俺なりに色々聞いて、触って、
答えて、受けて、Aしかダメだと思った。
瑠姫の時みたいに、諦めてほっとかない。
もう、俺らの幸せをほっとかないから。
だから、俺の事支えて欲しい。俺には、
Aしか…だから、奨の所は」
そう言って、泣きそうになって、言葉を詰まらせる汐恩に、どうしても手が出てしまう。
私が離れたら。汐恩はダメだと言った。
私は、汐恩のそばを離れる訳には行かない。
「…大丈夫、私がそばにいる。」
鶴「…ほんまに?」
「だからもう、そんな悲しい顔しないで」
「もうあの頃とは違う。私はここにいる。」
「もうすれ違ってない。」
そういって、抱きしめることしか
私にはできない。
私は、汐恩を、
裏切る訳には行かない。
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作者名:かきのたね。 | 作成日時:2020年4月5日 1時