木槿のふたり (ページ7)

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嵐の前の静けさページ7

「～てな感じで、先方からは要望があって。ま、現段階なのでまた変わるところも出てくるとは思うんだけど…」

先輩がテキパキと話を進めていく。
私はというと、それはもう必死にメモをとりながら現状を把握するだけで精一杯。

やっぱり先輩ってすごいなあ…。

「A！A！ちょっと！」
「あ、ハイ！」

「今から先方との打ち合わせあるから、一緒に行くぞ」
「え、私がですか？！」

「うん、実際に聞いた方が状況理解しやすいでしょ？ほら！」

それもそうだな、と納得し、先輩の車で打ち合わせ場所に向かう。

「Aは嵐のライブ観たことあるの？」
「あります、国立とかドームとか。DVDですけど…」

嵐の人気が凄い、という情報は、アメリカにいてもなんとなく伝わってくるほどのもので。
日本におけるコンサートで一番の規模・集客率を誇り、演出も凄い！となれば、どんなものか興味が湧いてくるのが職業病。

「ほんと、嵐のコンサートは年々レベルアップしてるからなぁ…」

先輩はものすごく嬉しそうな顔をしている。
それはそうだよね。
自分の仕事が評価されたって事でもあるから。

「その演出を全て担っているのが、メンバーの松本潤。今日は彼との打ち合わせだから、短く見積もっても朝の2時まではかかるぞ～！」

よぉし！頑張れ俺！なんて気合いを入れる先輩に、「またそんな冗談言って～」なんてつっこもうとしたら、タイミングよく目的地に到着した。