木槿のふたり (ページ11)

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明け方のコンビニページ11

だだっ広い会議室に、松本さんと先輩と私。
静まりかえったこの空気、どうしたものか…と様子を伺う。
先輩、なんとか言ってよ。

「あー、どうすっかねぇ」

はじめに言葉を発したのは松本さんで。
机に突っ伏してた顔を上げて、ペンでこめかみをトントンと叩いている。

「正人はどう思う？」
「まあ、テーマ重視でいくと後者だとは思うけどね」
「だよなぁ…」

それでもまだ悩み続ける松本さん。
みんながこの人をストイックだ、と言うのは、こんな姿を何度も何度も見てきたからなのだろう。

その後も松本さんと先輩は、あーでもないこーでもない、と議論を続け、ようやく方向性が決まってきたころ。

「よし、ちょっともうここで飲まない？」
「お、いっちゃおうか」

ふたりでそんな話をしているもんだから、咄嗟に、「なんか買ってきます！」なんて立ち上がった。

「ありがと、じゃあ～ビールと、ハイボールと、なんか適当におつまみお願いしてもいい？」
「了解です」

コンビニに向かいながら、ふと思う。

松本さん、明日9時から仕事って言ってたような。
今から飲んで、家に帰って、残りの仕事片して、いつ寝てるんだろう…？