毎年。 ページ4
「自分のお家に飾りなよ。」
胸がざわざわしているのをひた隠す。
DH「………」
下が眉の困り顔。
「………。」
わたしだって…困る…。
DH「…毎年…思い出すんだ…」
わたしが抱えている花束を見つめながら
ぼそって言った。
「………」
DH「………」
わたしも…思い出す…。
「…＾＾(笑)一体いつの話…(笑)」
わたしはそんなこと覚えてさえいない…って
振りをする。
DH「…＾＾」
悲しく笑うの…やめて欲しい…。
DH「…いくら？」
「…ぁ(汗)」
花束を一度置いてお会計を済ませた。
「…はぃ。」
もう一度抱えてドンへに渡そうとする。
DH「…ごめん…。いらなかったら捨てて＾＾」
そう言って、行っちゃった…。
自分で造った、思い切りわたしの趣味、
わたし好みの花束…。
「………」
花に罪は無いし…、
何より、この花束に深い意味なんてない…。
わたしは大事に抱えて家に帰って、
頭の中はドンへの事と、この花束の意味ばっかりを
考えながら花瓶に生けた。
バースデーが、
あの夜から毎年毎年センチメンタルな思い出が
くっついてきて、なぜか無駄にキュンとする日になった。
ドンへじゃない人にお祝いしてもらいながらも、
あの夜のことを思い出したり、
女友達にわいわいお祝いしてもらいながら、
思い出だしたり…。
ふと、ドンへの言葉を思い出した。
どんなに時が流れても、
それぞれにそばに愛する人が居ても…
この日だけは、わたしとドンへは遠い場所で
同じ思い出を共有しているのだろうか…。
あれが嘘じゃないのなら…。
家に帰る度に思い出してた最近。
花瓶に生けた花が限界を迎えて部屋から消えた。
それはそれでなんだか寂しい気持ちになったけど、
だからってどうってことはない。
わたしとの偶然の出会いに何の意味もないし、
奥さんと運命の出会いをしたからドンへには今があって…。
密かに絶望的だと思っていても、
人生何が起こるかはわからないから…。
わたしもいつか、誰かとそんな出会いをするかもしれないね。
そんな誕生日が過ぎて、あの不思議な一件の
事なんて忘れかけていた頃…。
「………」
また閉店間際…。
DH「…＾＾」
何か申し訳なさそうに、ニコってした。
「…ぃらっしゃいませ。」
敢えて近寄らず、仕事に没頭する。
「決まったら…声掛けて…。」
わざと忙しそうに。
DH「…A」
後ろから呼ばれて振り返る。
「？？。決まった？？」
そこには、また、困り顔のドンへ。
ラッキーアイテム
デニムタイトスカート
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ちぃ〜(プロフ) - お疲れ様でした。素敵作品ありがとうございます。只今号泣中です。そーなりますよね？お別れだって分かってました。きっとたぶん…でもどこで期待してました。そんなどんへもありなんじゃないか？って。でもこれが正解ですよね。本当大好きな作品でした。 (2015年12月31日 1時) (
レス) id: 4f3e1bdd17 (このIDを非表示/違反報告)
ayaxxx(プロフ) - 行き着くところはお別れなんですね… 切なすぎます。。。 (2015年12月31日 0時) (レス) id: bd161c5e6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - やっぱり最後はお別れなんですね…。そうだろうとは思ってたけど心のどこかで、もしかしたら…!って…。最初から最後まですごくすごく切なくて読むたびに泣いてました。また読みたいです^^ (2015年12月30日 23時) (レス) id: 5251c9ec78 (このIDを非表示/違反報告)
ひょっくん(プロフ) - はぁぁぁ…。切ない切ない、身が張り裂けそうな決断。でもでもきっとこれが正解なんだって言い聞かせて…。私ってばなんていい女(T^T) 来年も梨子ペンは更新楽しみまってるよ♪良いお正月を過ごしてね^^* (2015年12月30日 22時) (レス) id: 7a87b674e7 (このIDを非表示/違反報告)
あゆいな(プロフ) - え…(泣)梨子ちゃん…切なすぎる。 (2015年12月30日 21時) (レス) id: f044a5867f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨子
| 作成日時：2015年8月30日 19時
