序論 fkr ページ11
問題。俺の心のモヤモヤの原因はなんでしょう?
香川県から出てきて早数年。一人暮らしのこの部屋を掃除するのは数ヶ月ぶりだ。そして今目の前にある写真は何年前のものなのか。
別に忘れてた訳じゃない、なんならずっと大切に引き出しの奥になおしていたはずだ。なぜ今手に持っているのか。
答えは簡単、埃をかぶっていてそれを払おうと思ったからだ。
「にしても若いな〜」
俺もきっと彼女も
彼女と言ってもガールフレンドでは無い。幼馴染。
「もう何年もあってないな〜」
高校に上がる時に遠くへ引っ越してしまった彼女は俺のことを覚えているのかさえ分からない。
まぁ考えても出てくる答えでは無いのでこの問題は胸の奥にしまって、それと同時にこの写真も元あった場所にしまう。
部屋の掃除が進まない。理由はわかる、心のモヤモヤのせいだ。そしてモヤモヤの理由も分かる。でも解くことができないから困る。このままじゃ無限ループだ。
少し場所を変えるか。
思いついたら即行動、第二の自宅オフィスへ直行。
「お疲れ様で〜す」
「あれ?福良さん今日出勤だっけ?」
「違うけどちょっとね」
「まぁいいや、いいタイミングだし相談事あるんだけどいい?」
「何」
たまたまオフィスに来てみれば居たのは伊沢一人だけ、いつも沢山の人が居るオフィスにしては珍しい。
「新しいライターさんの話なんだけどね、俺が院を中退する前の先輩で凄い面白い視点で物事を見れる人が居るんだけど、福良さんと同い年の。」
「俺と同い年のライターさんなんて珍しいね。」
基本的にクイズノックの新人ライターさんは大学一年生、二年生当たりが多いから伊沢の一個上なんて珍しい。
「そう、しかも視聴者さんで俺らのメンバー何人かとは知り合いなんだってさ。」
「へぇ、凄い」
誰の知り合いなんだろう。
「だから丁度いいかなって、」
「でもその年齢でライターさんって大丈夫なの?もうすぐ社会人になったりするんじゃないの?」
「俺の会社だったら楽しそう!っていうのと何かクイズノックの人で話したい人がいるんだって。」
「まぁご本人さんがそう言うなら」
それに伊沢が選んだ人だ、それほどいい人なんだろう。
「じゃあライターさんにしていいってことだよね?」
「うん、いいと思うよ。」
「だってAちゃん」
聞き覚えのある名前。
「ありがとう伊沢くん」
聞き覚えのある声。
ドアを開けて入ってくるのは、
「久しぶり、拳くん。」
解答。君に会いたかった。
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作者名:しろまる | 作成日時:2019年8月6日 14時