その年下、憂鬱時々晴れ ページ23
施設からの帰り道、私はパトロールをしながら彼になんて連絡を取ろうか悩んでいた。
『カサネ？浮かない顔だね。悩みでもあんのかい？』
その時、事務所近くの商店街にあるコロッケ屋さんから顔馴染みのおばちゃんが声をかけてきた。
「全然！ちょっと考え事してました」
ヒーローが心配されるなんて情けない。
私は自分に呆れつつ、いつもの笑顔で対応する。
『女が悩む時なんてのはな、恋煩いって決まってんだよ』
『ちょっとあんた、失礼な奴だね』
奥から出てきた店主であるおばちゃんの旦那さんは、優しくてとても陽気な人で、いつもコロッケを事務所に差し入れしてくれる。
「あはは、本当そんなんじゃ無いですよ」
『なら、良いけどさ。あんま心配かけるんじゃ無いよ。ほら、いつものコロッケ持っていきな』
「すみません…いつもありがとうございます」
渡されたビニール袋の中からはコロッケの揚げたての良い匂いがする。
ちょうどお昼時だし、事務所に帰ったらみんなで食べよう。
私は改めてお礼を言って事務所に向かって歩き出す。
いろいろ悩むのはご飯食べてからにしよう。
次の角を曲がれば事務所が見える。
ビニール袋の中に充満したコロッケの香りが食欲を唆る。
お腹すいた〜なんて独り言を呟くとピコンとスマホの通知音がなる。
相手はサイドキックからだった。
〈今どちらに？〉
あと3分もかからず着くし返信しなくていっか。
食欲のせいなのか、通知のせいなのか、無意識に足早になっていた。
私は事務所があるビルにたどり着くとエレベーター上行きのボタンを押す。
少しして降りてきたエレベーターに素早く乗り込んだ。
24階のボタンを押すとエレベーターは動き出す。
壁に寄りかかりながら待っていると、やっとの思いで24階に着く。
あったかいうちに、みんなでコロッケ食べたいなぁなんて思いながらエレベーターホールから廊下を歩く。
「みんなで…」
頭の中にはサイドキックのみんなはもちろん、金髪のヘラ鳥まで浮かんでいた。
何考えてんだろ、私。
彼が、ホークスが居るはずないのに。
思わず自嘲して、私は事務所の扉を開けた。
『あ、おかえりなさいAさん』
「え…何で…」
そこには、たった今思い浮かべてたホークスがいた。
彼は変わらずヘラヘラした顔で何も気にしてないみたいで。
『少しだけ、時間あります？』
なんて言う彼の言葉を断れなかった。
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みりん(プロフ) - ちゃそそそさん» 応援とお気遣いありがとうございます！続編もお楽しみ頂けるよう頑張りますので、次回もよろしくお願いします！ (2023年2月22日 0時) (
レス) id: bdabf02482 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃそそそ(プロフ) - 続編とても嬉しいです！ 次回も楽しみにしております！ ご無理をなさらずに更新応募しております！ (2023年2月21日 22時) (レス) @page50 id: 21d7804802 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - mbftmmさん» 嬉しいコメントありがとうございます🥺年下ホークス想像するだけでかわいいですよね♡今度も癒されてくれたら嬉しいです。更新頑張ります！ (2022年11月26日 13時) (レス) id: 7d94385906 (このIDを非表示/違反報告)
mbftmm(プロフ) - 好きです！！！！更新楽しみにしてます！！！！年下ホークス可愛い(*'-'*) (2022年11月25日 19時) (レス) @page26 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2022年9月25日 17時
