その年下、信頼 ページ15
テンションが上がっている盾守は早口に言葉を並べる。
『だから、私の個性で救ってやるんだよ。能のない下民達は私を“ヒーロー”だと思うだろう？これがヒーローのあるべき姿なんだよ』
「狂ってる。自分の私利私欲を満たすためだけにそんなこと許されると思ってるの？」
『許される？私が全て解決してやるんだ！誰の許しなどもいらん！』
かなりハイになって来てる盾守は鼻息を荒くし、注射器を一本手に取ると、私の方へジリジリと歩み寄って来る。
『夢の実現のため、君には実験代になってもらう』
先程までの感情の高ぶりが嘘のように、落ち着いた声で盾守は言った。
誰が実験代になってもらうって言われて、はいそうですかって納得すると思っての。
ありえないでしょ、普通。
「っ？！」
私は今確かに盾守を拘束しようと個性を使った。
それなのに、何もできない。
原因はわからないけど、まるで何かに防がれてるような。
『個性を使ったか。言っただろ、この船は私の間合いだと』
国防長官、盾守の個性は〈シールド〉。
ありとあらゆる現象全てを相殺する。
その個性で、国防長官として日本を守って来た人だ。
そんな個性が、個性の無効化までできるっていうの？
それとも何か別の薬を使ってる？
『私の個性は皆勘違いしやすい。今は機嫌が良いから教えてやろう。私の個性シールドは、例えるなら一枚の〈盾〉のような物では無い。〈空間〉なのだよ。この意味がわかるかな？』
「…あなたの間合いにいる限り、個性も相殺される」
『頭の良い女性は嫌いじゃない。さて、おしゃべりはここまでにして始めようか』
私の中にはこの時点で、２つのプランが出来上がった。
とはいえ、どちらも一か八かの作戦だけど、今はこれしか無い。
プラン1を実行するべく、私は注射器を刺そうとしてきた盾守の攻撃を交わした。
その時、髪飾りになっていた赤い羽が地面に落ちた。
ホークス、あなたの剛翼もこの空間内では使えない。
それでも、プラン2はあなたを頼るしかない。
「ねぇ、盾守さん」
私は隠していたナイフを瞬時に太もものケースから取り出して、盾守を後ろから抱き込むように喉元へナイフを突き付ける。
「個性じゃなくて、本体そのものに触れたら私の個性は発動するのかな」
その答えを、私はもうわかっている。
『つまらないことを聞くな。これが答えだ』
「ウッ」
私は自分の太ももに注射器が打たれたのを確認し、意識を手放した。
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みりん(プロフ) - ちゃそそそさん» 応援とお気遣いありがとうございます！続編もお楽しみ頂けるよう頑張りますので、次回もよろしくお願いします！ (2023年2月22日 0時) (
レス) id: bdabf02482 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃそそそ(プロフ) - 続編とても嬉しいです！ 次回も楽しみにしております！ ご無理をなさらずに更新応募しております！ (2023年2月21日 22時) (レス) @page50 id: 21d7804802 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - mbftmmさん» 嬉しいコメントありがとうございます🥺年下ホークス想像するだけでかわいいですよね♡今度も癒されてくれたら嬉しいです。更新頑張ります！ (2022年11月26日 13時) (レス) id: 7d94385906 (このIDを非表示/違反報告)
mbftmm(プロフ) - 好きです！！！！更新楽しみにしてます！！！！年下ホークス可愛い(*'-'*) (2022年11月25日 19時) (レス) @page26 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2022年9月25日 17時
