9話 ページ10
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「まぁ、気づかなかったのも分かるよだって、お前の俺達に関する記憶、ちょっといじってるし。」
「でもさぁ、何にも教えてくれない俺らに何の違和感も感じなかったのお前。」
感じなかった、わけが無い。
常に思っていた。常に怖かった。
けど、私には4人しか居なかったから、4人のことが本当に大好きだったから、...信じていた。
────信じた私が、馬鹿だった。
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「...本当の、Aの記憶見せてあげましょか。」
センラさんがそう言った。
すると後ろから目の上に手を添えて私の視界を奪った。そしてパチンと指を弾くと、頭の中がぐちゃぐちゃに掻き回されているような感覚に陥る。
『...っ、うっ、』
その気持ち悪さに耐えきれず、意識を手放した。
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────教会の聖堂で、一人本を読んでいる女の子
「君、本を読むのが好きなのかい?」
「一人で、寂しくないん?」
「俺やったら寂しいなぁ、
お兄ちゃん達とお話ししーひん?」
「怖がらなくていいんですよ?
僕達は、怖い人じゃない。」
その女の子に、話しかけているのは、
20代ぐらいの、4人の男達。
彼女は、自分に笑顔を向けてくれた、自分に話しかけてくれた、ことが堪らなく嬉しくて、警戒心など捨てて彼等と直ぐに打ち解けた。
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毎日、自分に会いに来てくれるそんな彼等のことを好きになるのにはそう時間はかからなくて。
そんな彼等に、心を開くのは容易いことだった。
そして、彼女は4人の男達にこう言った。
『お兄さん達、だーいすき!!
ずっと、一緒に居てね。』
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なすび(プロフ) - いっっったそっ!と思いながらもウッヒョぉーなんて言いながら読ませてもらってます更新頑張って下さい! (2020年7月20日 1時) (レス) id: 5a02bd7bfb (このIDを非表示/違反報告)
わか - うっ...。自分がこんな立場にいたら絶望するけどうしさせだからいいんだ...。語彙力ありまくりですよ...。ありよりのありですよ..。これからの展開が楽しみです..(瀕死)。 (2020年7月2日 17時) (レス) id: 10b66fbb96 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 桜さん» ああ、勿体ないぐらいのコメントありがとうございます!感情については頑張っているところでもあるのでそこに触れて頂けると本当に嬉しくて、、更新頑張れます!!笑 嬉しいお言葉ありがとうございます!! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 素敵な作品ですね…!センラさんの反比例する感情の書かれ方とか坂田さんの純粋さに隠れた狂気も、主人公の絶望の中で希望を捨てきれない複雑な心情も読んでいて引き込まれます…更新頑張ってください!楽しみにしております! (2018年12月18日 20時) (レス) id: ee303c023d (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!!どんな形でもバッドエンドにはしないので、これからもよろしくお願いします!! (2018年12月1日 22時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年10月7日 0時