【浦島坂田船】Bloody Love

4話 ページ5

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朝、目を覚ますと、一人で寝ていたはずのベッドにもう一人、しかも私を抱きしめながら眠る彼がそこに居た。




うらたんの時もだが、私は彼らにこの部屋の合鍵を渡しているから、彼らはこうして何も言わずに気づいたら部屋にいることが多々ある。

合鍵を渡すなんて、と思うとは思うけど、私にとって彼らはそれほどに信頼している人達なんだ。









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「んー、Aおはよう。」

『おはよう、さかたん。』




いつもニコニコしていて、温厚で少し子供っぽい彼は、こうして朝起きると隣にいることが多い。

ヘラっと笑う彼の顔は、とても可愛らしく癒される。








「勝手に入ってきてごめんな？俺Aに会いたくてしょうがなかったんや。

...俺のこと、嫌いになってない、？」



『大丈夫だよ、私も会いたかった。
さかたんのこと、嫌いになる訳ない。』



「良かったぁ、俺Aに嫌われたら生きていけへんわ。」







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冗談で言っているんだろうけど、彼が言うと冗談には聞こえなくて、たまにゾッとする。

毎回毎回、何かある度に
「俺のこと、嫌いになってない？」と聞いてくる彼は一体何を考えているのだろう。



でもそんなことは、彼のキラキラした笑顔を見るとすぐ忘れてしまうのだ。









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「A、」

『どうしたの？』






「ホンマに、いつ見ても

可愛ええなぁ、大好きだよ。」









───すんごく、美味そう。





そう言った彼の言葉は、インターホンの音にかき消されて私には届かなかった。








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