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15話 ページ16

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────目が、覚めた。
こんなにも、覚めなければよかったと思ったことはないと思う。
あのままあれを夢の中の出来事のままにして永遠の眠りにつけたならどんなに良かっただろう。


何も知らずに、傷つかずに、死にたかった。







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気を失う直前に目に入った、真っ白のシーツが紅に染まっていく様と、彼等の見たことも無い鋭い牙。

その鮮明な記憶が、...これが現実だと突きつける。





今はその血塗れたシーツは取り替えられて、私はまた真っ白のワンピースを着せられ、鎖と共にベッドの上。服装といい部屋の雰囲気といいそれら全てがおとぎ話のようだからか、銀の鎖が異様に不気味に感じる。




手は使えないが、どうにか起き上がってみた。
でも、信じられないほどの目眩に襲われまた横になる。

少し貧血気味ではあったが、こんなにも酷いのは初めてでどうにも苦しい。









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「そういえば、貧血気味やったなぁAは。
水、持ってきたよ飲んで。」


『...センラさん、』





いつのまに部屋に入ってきていたのか、水が入ったポットとコップを手にしたセンラさんがベッドの脇にいた。

その顔は、私の知っているセンラさんの優しい顔にも見えたが、この人もまた同じ私を裏切り餌にする吸血鬼なんだ。
そう思えば、もうどんなに体調が悪くても頼る気もなくなり、あんなに大好きだったその気持ちは薄れていっていた。









『そこ、置いておいて貰えますか。
あとで自分で飲むんで。』



こうぶっきらぼうに言った私に手を伸ばした彼。
...でも私はもう、その暖かく感じていた 冷たい手 で触れて欲しくなかった。









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だって、彼等は私をボロボロに傷つけた。
その傷は大きく、身体じゃなく

────ココロ、に深く刻まれたのだから。









『...っ、触らないで!!』









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お気に入りに追加してくださった方ありがとうございます!!中々伸びなくてうーんと思ったりしてる作者ですが、自己満足を数人でも見ていただけていると思えば本当に嬉しいですね。

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なすび(プロフ) - いっっったそっ!と思いながらもウッヒョぉーなんて言いながら読ませてもらってます更新頑張って下さい! (2020年7月20日 1時) (レス) id: 5a02bd7bfb (このIDを非表示/違反報告)
わか - うっ...。自分がこんな立場にいたら絶望するけどうしさせだからいいんだ...。語彙力ありまくりですよ...。ありよりのありですよ..。これからの展開が楽しみです..(瀕死)。 (2020年7月2日 17時) (レス) id: 10b66fbb96 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 桜さん» ああ、勿体ないぐらいのコメントありがとうございます!感情については頑張っているところでもあるのでそこに触れて頂けると本当に嬉しくて、、更新頑張れます!!笑 嬉しいお言葉ありがとうございます!! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)
- 素敵な作品ですね…!センラさんの反比例する感情の書かれ方とか坂田さんの純粋さに隠れた狂気も、主人公の絶望の中で希望を捨てきれない複雑な心情も読んでいて引き込まれます…更新頑張ってください!楽しみにしております! (2018年12月18日 20時) (レス) id: ee303c023d (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!!どんな形でもバッドエンドにはしないので、これからもよろしくお願いします!! (2018年12月1日 22時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年10月7日 0時

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