刀よりもスマホが欲しいのですが。【鬼滅の刃】

39.時の呼吸 ページ42

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「その鬼は…。元時柱、春川柚葉の妹だということは知っているかい？」

柚葉さんの名前にピシッと身体が強ばる。

『…はい。その鬼が、教えてくれました。
春川柚葉の妹だと確かに言っていました』


「そうなんだ。そして柚葉は妹が鬼になったショックと責任で鬼殺隊を辞めたんだ。

でもある問題が生じた。その鬼は




＿＿＿＿時の呼吸でしか倒せない」


なるほど、大体よめたぞ。
その柚葉さんの妹さんは時の呼吸でしか首を斬れない。そして今いる時の呼吸の使い手は私しかいないと言うわけで、あの鬼は私にしか滅殺出来ないというわけか。


『…今の私では、倒せません』


「それは分かっているよ。ただ、それしか方法がないんだ。今は倒せなくても鍛えれば倒せる。その為に、強くなるんだ。

A、お願いだ。上弦の漆を倒してくれないか」


倒せるのかな、私に。
そもそも倒す前に私が元の時代に戻っちゃうかもよ？
それでも鍛える意味は、鬼を倒す意味はあるのかな？



その時、ふと最後に見た上弦の漆の顔を思い出す。


人を何百人も喰っている筈なのに何処か辛そうな、


あんなに私のことを傷つけていたのに哀しそうな、

そんな顔を。


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私があの鬼を斬ることによってあの鬼が楽になれるなら、柚葉さんが少しでも救われるのなら、鍛える価値はあるのかな。強くなる価値はあるのかな。


そう思うと私の心はスっと軽くなった気がした。



『私、秋月A。命をかけて、全力で戦わせていただきます』





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