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俺に寄りかかってくる彼女の背中を褒める様に撫でながらもう一度額に口付ける。そうすれば不貞腐れたように頭をぐりぐりと押し付けてぐったりと身を委ねてきた。
「ムードもへったくれもないけどどーすか?」
「もーなんでもいいですから運んで」
「なに、帰んの?」
「……かえるぅ」
どうやらすっかり拗ねてしまったらしい彼女を軽々と持ち上げてきた道を戻る。行きと違って人肌があるので身体も温まった分動きやすいから足も早くなるだろ。
マフラーがなくなった性で風が吹きつけて流石に寒くなったのか、彼女は俺の首筋に顔を埋めて細やかな暖を取っていた。いや取れてるのかはわからんけど。
そのまま案外簡単に車までたどり着いて助手席に彼女を詰め込んで手早く暖房をかける。
まだまだ車内が温まるまでは時間がかかるのでその間は少し待機して待つことにした。運転席に座って貸してもらったマフラーを外して彼女の膝に乗せた。これで少しはマシになるだろ。
無言でマフラーを受け取って、膝の上で整えていた彼女が唐突に話し出す。
「和樹さんってさ、見た目の割に愛情深いですよね」
「見た目が余計だろ」
「え〜結構Bっぽいですよ」
「反社じゃねぇ」
「んふふ、知ってます」
話ながらすっかりマフラーをひざ掛けにセットし終えた彼女は、何かを懐かしむような優しい顔で続けた。
「あんまり直接は言ってくれないですけど、目も、触り方も、全部。身体の全部で私を愛してくれているのが分かるので。だから私だけ知っていればいいんです」
(結構無骨な自覚あるけどな、俺)(私だけだからいいんですよ)(そんなもん?)(そんなもんですよ愛なんて)
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『態度で示して』

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眞宮(プロフ) - 鴨メープルさん» 承知しました!精一杯書いてみます💪 (1月16日 18時) (レス) id: e3e5d0ba91 (このIDを非表示/違反報告)
鴨メープル(プロフ) - んん〜…お任せでもいいですか?あまり慣れて無くて…甘め…?に、していただきたいな〜と、ふんわり思っては居るんですけどうまく言語化できなくて…すみません💦 (1月16日 17時) (レス) id: e7d43eb7fc (このIDを非表示/違反報告)
眞宮(プロフ) - 鴨メープルさん» ありがとうございます!初めて書くのでお気に召すか分かりませんが頑張ってみます!お話の傾向とかご希望ありますか? (1月16日 14時) (レス) id: e3e5d0ba91 (このIDを非表示/違反報告)
鴨メープル(プロフ) - はじめまして!大好きです!!私の寿命が長くなりました!ありがとうございます!!リクエストなのですが、リンダカラーさんのdenさんお願いできますか…?1作目のdenさんも最高でした…!!よろしくお願いします! (1月16日 8時) (レス) id: e7d43eb7fc (このIDを非表示/違反報告)
眞宮(プロフ) - いたうさん» こちらこそありがとうございます☺️ふんわり浮かんだネタをただ吐き出しているだけですが、またやりたいシチュエーションが浮かんだら書いてみようとおもいます!出会ってくださりありがとうございます! (12月30日 22時) (レス) id: e3e5d0ba91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眞宮 | 作成日時:2024年12月28日 23時