_虚 ページ21
。
僕はしばらく森を彷徨っていた。
ここが何処なのかわからない。
迷子だ。僕は心細くなってにゃーと、
一鳴き出してみても誰も助けに来てくれる気配はなく、声はただ、虚しく森に吸い込まれていった。
代わりに虫が泣いた。
僕の事を心配してくれているのかな。
前にお母さんに迷子になったらそこを動いてはダメよ、と言われたのを思い出した。
僕はお母さんが助けに来てくれるのを待った。
いつのまにか眠ってしまっていたみたいで、
辺りは暗くなり、心配してくれていた虫たちも寝てしまっているみたいで、音がない。
あるのはたまに聞こえる木の叫び声。
空を見たら満月が僕を照らしてくれていた。
満月は自分が眩しくて眩しくて、僕のことなんか、見えてはいないんだろうな。
怖いよ。体が震えてしまう。
周りには草がいっぱいで視界も限られてしまっている。
仕方なく、僕は夜が明けるのをそこで待った。
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白の悪魔(プロフ) - 名無しのじんべぇさん» ご愛読ありがとうございます。励みになりました。頑張ります。 (2018年3月18日 1時) (レス) id: 468f3e0f33 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのじんべぇ - 素敵な作品ですね。世界観に惚れました。最新頑張って下さい! (2018年3月18日 1時) (レス) id: acea8b00f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白の悪魔 | 作成日時:2018年3月17日 2時