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.......声も出なくて、振り返ることすらできなくて
なにかの情報番組でやってた痴漢の対処の仕方なんて全く役に立たないものばかりだった
『飯田........？』
視界の端で飯田が手を伸ばしてくるのが分かった
「すまない
もう少し早く助けたかった」
『え........？』
手はいつまでたっても来なくて、代わりに来たのは謝罪の言葉
........ちがう、謝ってほしいんじゃない
「怖がらせてしまった、こんなに震えるまで
........ヒーローを志す者として情けない」
なんでそんなこと思うの、そんなことどうでもいいのに
言葉にしたいのにできない、体の震えも一向にとまらない
「中里くん！？」
頬を、何かが伝うのがわかった
「い、いったい俺はどうすれば........！？」
ああ、もう........本当に........
『抱きしめて』
「ん！？」
『もう大丈夫だって言って
........ヒーローがやってくれるみたいに』
飯田が目を見開くのがわかった
おそるおそる、こちらに手が近づいてくる
「！？」
そんな手をまっていられなくて、自分から逞しい胸へと飛び込む
「........もう大丈夫だ
だから、安心してくれ」
心臓の音が聞こえる
私に何かを語りかけるようなトクン、トクンという一定のリズム
『.......飯田、ありがとう』
ごめんね
こんなことまで聞いてくれて
『飯田は、良いヒーローになれるよ
私が保証する
怖がらせたとか、気にしないでよ
助けてくれたんだから、俺が助けてやったって威張るくらいでちょうどいい』
ゆっくりと、飯田から離れる
「........なんだかこっちが助けられているようだな」
彼の困ったような笑顔に、私も腫れた目を上げて笑い返す
『........すきだよ』
勝手に言葉が出る
今言わなきゃダメだと強く思った
「え........？」
聞き間違いだと思ったのか、飯田が慌てたように口を開く
「も、もう1回言ってくれないか」
『すきだよ
........返事は、しなくていい
私は言えただけで十分だし、飯田は雄英入るために頑張らなきゃいけないんだから』
頑張ってね、と背を向けた
「........卒業しても会ってくれないだろうか」
『え？』
「俺はまだそういう感情はわからない
........でも中里くんのことを大事にしたいと思うし、手放したくないと思っているんだ
だから、俺にこの感情をもっと教えてほしいんだ
........だめだろうか？」
紅い顔に熱の篭った視線
普段とは全く違う震えた声
...さらに目が腫れちゃうな
爆豪 轟 ※夕焼けの色 まくらかばー ＊まくら＊様ﾘｸ→←飯田天哉 ※向き合って ﾐｻｷ@様ﾘｸ
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オタクバカ - リクエストです！瀬呂×上鳴の取り合い的な？感じでお願いします！ (2020年7月12日 7時) (
レス) id: 1dd7c39623 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 終わってしまった…だと？！ (2019年9月26日 1時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ひなニャン - リクエストします!爆豪派閥がだれか一人死なないと出られない部屋に閉じ込められる話お願いします! (2019年4月27日 10時) (レス) id: 2690df4919 (このIDを非表示/違反報告)
まちがい - な…なんかもう…書かれる言葉が美しいです……！！(語彙力の欠如) 続き楽しみにしています！大変だと思いますが、頑張ってください！ (2019年4月25日 18時) (レス) id: 52d44c636a (このIDを非表示/違反報告)
まくらかばー ＊まくら＊(プロフ) - 書いていただきありがとうございます！切ない感じめっちゃよかったです！またなにかあればリクエストさせていただきます！ (2019年4月17日 21時) (レス) id: 00feabd1d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木乃狐@ | 作成日時：2019年3月31日 18時
