嫌よ嫌よも好きのうち【白布賢二郎】

３話：お腹が鳴る ページ4

ぎゅるるるるる・・。

清々しいほど大きくおなかが鳴った。授業中に。





「ああああ、恥ずかしい」

問題を解いていてシーンとしてたときに鳴ったから余計響いてしまった。
急いで腹おさえたけど鳴り止まないし。白布には笑われるし。
そしてなぜかまわりの人から飴をもらった。

パイナップル味とレモンティー味とキャラメル。
もうみんな優しすぎて泣きそう。





早速もらったレモンティー味の飴をあけた。
口の中でコロコロと転がすと口いっぱいにレモンの香りが広がる。


「んまー」

いやホントにおいしいわ、これ。
後で買いにいこ。


にしてもお腹空いた。

勉強するとお腹空くじゃん？
私授業中は結構真面目なのよ。だからきっと消化が速いのよ。今日は特別ひどかったけど。


「白布、白布、食堂に行きやしょう」

「まだ３限だろうが、我慢しろ」

「うぐっ」


あと１時間もあるのか・・・。
また鳴ったらどうしよ。

咳きでもしてごまかそうかな、それか椅子引いて音でごまかす。






「やばいなんか考えると鳴る。絶賛鳴ってる」

「日本語どうした」




これでもかと言うほど背中を曲げて腹をおさえる。
只でさえ小さい私がこんなことをすると景色が幼児目線で見えるようになる。


ああ、幼稚園児ってこんな風に見えてるんだ、としみじみ感じたのだった。

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