願事レコード2.

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今日は顕嵐の機嫌、一向に直らず。




朝からずっと話しかけてもうわの空っていうか
ぽかーんとしてて。
いつものことだけど、違うの。
いつもは何も考えてないようだけど
今日は明らかに機嫌が悪かった。



なんかあったのかな、って心配になる。
毎日のように顔合わせてるんだもん。
ちょっとの変化も気付いてしまうもので。


…まあ、永瀬廉と喧嘩してんのかなんなのか
顕嵐はめちゃくちゃ冷たい。永瀬廉に対して。





北「……って、聞いてた？」

「へっ」

北「聞いてませんでしたね」




私が先輩に冬休み何の本読んでたのか聞いていたんだけど。
どうやらそれを一冊ずつ説明してくれていたらしい。





北「最近ぼーっとしてんね？」

「そうかなあ？…」

北「冬休みボケだなこれ」

「ボケてないもん」

北「ふーん」








慣れてきたもんで普通に敬語なしで喋ってるし、
無言の時間も気まずいとか無い。


…嬉しすぎる。


あと本当はね、呼び名を変えたいの。


先輩、って距離でるんだもん。
それでなんか一線引かれてる感じがしてて。

だからって、でも。
呼び捨てなんかで呼べる勇気は無いから…うーん。



ほっくん、が良いかな。とか。へへ。







北「ちょっ…今度は何？何でにやけてんの、」

「いや？別になんでもなーい！」

北「怖いよきみが」




そんな事ないよ！と先輩に近付けば
あっち行ってなさい、って言われる。





先輩が笑って、私も笑う。


私は幸せすぎて怖いよ。






北「そうだ。今日バイトある？」

「今日はないよ」

北「じゃあ行こ」





サッと出した二枚の紙。映画の…チケットだ。





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