【wrwrd】転生してもやっぱり表情筋は動かない4【学パロ】

次こそは ページ38

昼休みの生徒会会議は解散となり、放課後。
昨日は会えなかったが、今日こそはとトントンの家に向かっている。
今日はシッマと一緒だ。

目的地に着いてインターホンを押すが、誰も出ない。
今日はご両親はいないんだろうか。

kn「鍵も掛かってるけどどないすんねん？」

『あ、グルさんに合鍵もらってるんだ』

kn「…何でアイツそんなの持ってるんや」

『…さあ？』

ここは深く考えたらいけない気がする。
合鍵を差し込んで回せばあっさりと鍵が開いた。
…本当に何で持っているんだろう。

ドアを開けて中に入れば玄関も廊下も真っ暗で電気が点いていない。
手探りでスイッチを探して電気を点ける。
…確かこの前行ったのは…。
記憶を頼りに彼の部屋へ。
中に入ってみると―。

kn「…真っ暗やな」

『うん…』

こちらも手探りでスイッチを探して電気を点ける。
トントンはちゃんとベッドで寝ていた。
でも…。

『すごく苦しそう…』

kn「マジで大丈夫なんか？これ…」

熱もあるのか顔が赤い。
魘されているのか表情は険しく、眉間に皺が寄っている。
呼吸も荒い。
…何より前見た時よりも断然目の下の隈が濃い。
それに…何だかやつれているような感じも受ける。
こんなに酷くなっていたなんて…。

私は持ってきていた冷えピタを彼の額に貼る。
ひんやりして気持ちが良かったのか少しだけ眉間の皺が緩まった。
…そう言えば、前は添い寝したんだっけ。
私はトントンの布団を少し捲って中に入る。
その行動にシッマがギョッとしてこちらを見た。

kn「ちょ、何やっとるんや！？」

『こういう時は人肌があると安心すると思うから…。前もこうしたし…』

kn「マジか…。ってか大先生はこの事知っとるん？」

『言ってない…。ごめんねシッマ。内緒にしてて』

kn「……ったく、しゃーないな。まぁでも…そういうもんなんかもな。俺はようわからんけど…。親が来るとあかんし、俺はリビングにおるわ」

『ありがとシッマ』

そう言ってシッマは部屋を出て行った。
私はトントンの背に腕を回して抱きしめ、背中と頭を撫でる。
いつもお疲れ様という気持ちを込めて。

安心しているのか、眉間の皺が無くなって表情も少し穏やかになった。
呼吸も整ってきているようだ。
そのまま、私も眠くなって寝てしまった。

シッマもずっとリビングにいてくれたが、その日彼の両親が帰ってくることはなかった―。

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