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em「…可能性はありますね。ただ…そうなると前世での疑いが不可解になるんです」
ut「そんなに好いとったやつがAちゃんに危害加えたりせんちゅうことか」
em「まだ推測だけで、確信があるわけではないですし…気に留めておくくらいでいいと思いますが…たぶん一番気を付けた方がいいのは」
エミさんはそこで言葉を区切って大先生の方を見る。
それを受けて苦笑する大先生。
ut「僕、か」
em「暗躍している人物の事もあります。まずはやはり情報を集めるのが先決ですね」
そこで晩御飯が出来たので二人のところへ持っていく。
二人もそちらへと意識が移ったようだ。
ut「おー!美味しそうや!」
em「すみません、結局全部やらせてしまって…。持っていくくらいお手伝いすべきでした…」
『すぐだから大丈夫大丈夫。とりあえず食べよう?今は備える事が必要だと思うし』
三人で揃っていただきますをして食べ始める。
うん、いい感じに出来たんじゃないかな?
em「美味しいです、このオムレツ!」
ut「うんうん、めっちゃ美味しいで!Aちゃんはいいお嫁さんになるわぁ」
『ちょ!?何言ってるの大先生!?』
急な褒め殺しに途端に顔に熱が集まる。
その直後、ズキッと頭が痛んで私は思わず顔を顰めて片手で頭を押さえた。
ut「Aちゃん!?どないしたん…?頭痛いんか?」
大先生が心配して声を掛けてくれるが…それと重なって聞こえる声。
(「ふふ。Aちゃんは料理も上手いんやな。きっといいお嫁さんになるよ。…なあ、僕が――」)
(「――貴方はあの方にふさわしくありません。絶対にあの方を不幸にする。…だからあの方にもう近づかないでくださいませんか」)
(「ハッ!随分と敵意剥き出しなんやね。…そんなの聞けるわけないやろ?僕はあの子を―――。キミこそ――」)
「――ちゃん…!Aちゃん!」
頭の中に響く声と重なって聞こえてきた大先生の声に我を取り戻す。
まだ頭はズキズキと痛んだが、だいぶおさまってきていた。
私はゆっくりと顔を上げる。
『あ…大先生…』
ut「大丈夫か!?顔真っ青やったけど…」
二人が心配そうに私の顔を覗き込む。
聞こえてきた声…。
片方は間違いなく大先生だ。
もう片方は…。
まずは二人を心配させまいと二人の方を見て何とか笑みを作る。
『大丈夫…。前世の記憶が、少し流れて来て…』
ut「夢やのうて何でこんな時に…?」
em「今、Aさんは記憶の蓋が開きやすいような状態なのかもしれません」
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淋(プロフ) - ブバルディアさん» 確認くださってありがとうございます。もしまたおかしな表現等ありましたら遠慮なく仰ってください。読んでくださってありがとうございますo(^-^)o (2020年7月15日 18時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
ブバルディア(プロフ) - はい。私から見て特に違和感はありませんでした。 (2020年7月15日 18時) (レス) id: 4a01cc1ec4 (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - ブバルディアさん» 初めまして!ご指摘のコメありがとうございます!いえいえ、こうやって間違っている箇所をちゃんと指摘していただけるのはとてもありがたいので助かりました!ご指摘いただいた箇所は修正させていただきました。これで大丈夫でしょうか…? (2020年7月15日 17時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
ブバルディア(プロフ) - 初コメから指摘ですみません。ネタバレになるようであれば、消していただいて構いません。更新頑張ってください。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 4a01cc1ec4 (このIDを非表示/違反報告)
ブバルディア(プロフ) - 初コメ失礼します。欠けた記憶のut先生sideに『色めき立つ』という表現がありますが、それは好意的な盛り上がり、みたいな意味だったと思います。見た感じ好意的とは違うようなので、『騒めく』とか『厳しい顔つきになっていく』みたいな表現が合っていると思います。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 4a01cc1ec4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:淋 | 作成日時:2020年6月22日 18時